アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
チューダー
オイスター Ref.7934
今回紹介するのは、1950年代に製造されたチューダーのオイスター Ref.7934だ。1950年代に流行し、チューダーのみならずロレックスやオメガなど、多くのメーカーが採用したハニカム文字盤を備えたモデルである。経年変化によって程よく焼けた文字盤が、アンティークウオッチらしい独特の風合いを漂わせる。加えて、気密性の高いオイスターケースを採用していたためか、時分針やインデックスには腐食やサビが見られず、非常に良好なコンディションを保っている。

【写真の時計】チューダー オイスター。Ref.7934。SS(34mm径)。手巻き(Cal.1156)。1950年代。30万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ
ケースはステンレススチール製で、ロレックスのオイスターケースが採用されている。リューズにはロレックスを象徴する王冠マークが刻印されており、当時のロレックスとチューダーの密接な関係性を感じさせる仕様となっている。全体的に小傷はあるものの、オリジナルのケースシェイプをしっかりと残しており、ラグ裏にはフラッシュフィットを装着していた痕跡が確認できる。とは言え、目立った変形や大きなダメージはなく、アンティークとしては十分に良好な状態と言えるだろう。
ムーヴメントには手巻き中3針のCal.ETA1080をベースとしたCal.1156を搭載。本中3針で17石というシンプルな構成のムーヴメントは信頼性が高く、メンテナンスも比較的容易なため、長期にわたって使用できるだろう。耐震装置も装備しているため、実用にも最適なムーヴメントだ。また、ここでもオイスターケースの気密性の高さが功を奏し、ムーヴメントの表面やネジに変色やサビは見られない。
華美な装飾こそないものの、カッパーメッキが施され、直線的なブリッジ分割がなされたムーヴメントは、実用品としての美しさを感じさせる。
堅牢なオイスターケースも、いまとなっては完全な防水性能は期待できないため、日常的に使用する場合の保険程度に考えておいたほうが良いだろう。少なくとも、適切な使用を心掛ければ水入りによる故障は防げるはずだ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎キュリオスキュリオ