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菊地吉正の時計考_022|通称“カマボコケース”。30年前に生産終了したチューダー“クロノタイム”の第2世代

今回はチューダーが展開するクロノグラフウオッチの第3世代として1976年に発表されたクロノタイム、その中でも人気の高い第2世代を取り上げる。正式名称はオイスターデイト オートマティック クロノタイムだ。

このクロノタイム自体は2005年頃に生産を終了するまで実に29年もの長い間生産が続けられたロングセラーだ。そのため大きく3度マイナーチェンジが施されている。第1世代はレファレンスが9から始まる94xx系で、その後90年頃には第2世代の791xx系に移行する。そして最終の第3世代は792xx系で95年頃に登場した。

今回取り上げた第2世代の魅力は第1世代から継承するケースだ、構造的に厚いバルジュー社(現ETA社)の自動巻きクロノグラフ、Cal.7750が搭載されたことからケース自体が厚くなり、日本ではそのケース形状が食べ物のかまぼこに見えることからカマボコケースの愛称で呼ばれるほど。ちなみに海外のコレクターたちの間ではこれを大きな塊“ビッグブロック”と呼ぶ。

また、これの後継となる第3世代に比べると若干実勢価格は高くなるが、リューズなどの一部のパーツはロレックスと同じものが採用されており、インダイアルの配置こそ違えども、4桁レファレンスのデイトナに雰囲気は近いという点においても魅力は大きいだろう。

この第2世代には、回転ベゼルタイプのRef.79170(最初の写真)。タキメーターの固定ベゼルは黒のプラスチックがRef. 79160、そしてメタルベゼルのRef. 79180と、第1世代と同様にベゼルの仕様違いで3種類がラインナップしている。

そして気になる実勢価格だが、もちろんコンディションや人気の文字盤仕様によっても幅はあるが、70万円〜110万円ぐらいで流通している。雰囲気はなかなかいいので、ぜひ実機を一度ご覧になってみてはいかがだろう。

【画像】タキメーターベゼルの79160と79180の写真をチェック!

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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