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【アラーム機能を搭載した自動巻き腕時計】実用性能も抜群なジャガー・ルクルトのアラームウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ジャガー・ルクルト
メモボックス

今回紹介する時計は、1970年代に製造されたジャガー・ルクルトのメモボックスだ。メモボックスは50年代に誕生し、度重なる改良を重ねながら、いまなお製造が続けられているジャガー・ルクルトを代表する名作シリーズとして知られている。
その中でも本作は、全回転ローターを採用した名作ムーヴメント”Cal.916”を搭載した、完成度の高いモデルだ。

文字盤は珍しい2トーンカラーを採用し、メモボックス最大の特徴とも言える文字盤中央部の回転ディスクはエイジングが進み、味わい深いブラウンカラーへと変化している。こういった文字盤は“トロピカルダイアル”と呼ばれ、愛好家たちの間で広く好まれている。経年変化が生み出す柔らかな色味と、侘び寂びを感じさせる独特の風貌が魅力だ。
また、9時位置に“JL”のアプライトロゴが配された珍しいレイアウトのダイアルデザインも見逃せない。

【写真の時計】ジャガー・ルクルト メモボックス。Ref.875.42。SS(37mm径)。自動巻き(Cal.916)。1970年代製。63万8000円。取り扱い店/BEST VINTAGE

【画像:着用イメージやムーヴメントの状態を見る(全5枚)

全体のコンディションを見ると、ケースには使用に伴う小キズこそ見られるものの、目立った打痕や変形はない。裏ブタ外周にはオープナー痕が残っているが、実際に使用する際にはほとんど気にならないだろう。文字盤は先に述べたとおり経年による変色が見られるものの、その均一な色味はアンティークならではの質感を感じさせてくれる。スクリューバック式ケースを採用しているが、裏ブタやリューズまわりのパッキンの劣化が懸念されるため、非防水として扱うことを推奨する。

先代の自動巻きメモボックスに搭載されたCal.815では、裏ブタの内側に打ち込まれたアラーム用のピンを決まった位置で固定する必要があったため、裏ブタをねじ込んで固定する防水性の高いスクリューバック式ケースを採用できなかった。さらに、全回転式ローターを採用しようとしても、ピンがローターに干渉してしまうという欠点があった。

この問題を解決し、メモボックスの完成度をさらに高めたのが、今回紹介する個体に搭載されたCal.916だ。本ムーヴメントは中心が空洞になった全回転ローターを採用し、その空洞に裏ブタ中央部のピンをとおす構造とすることで、全回転ローターの採用とスクリューバック式ケースの両立を実現した。加えて、コンパクトで巻き上げ効率の高い、マジックレバーに似たラチェット式の構造を採用することで、高い巻き上げ効率を備えている点にも注目したい。

自動巻きのアラーム時計にこだわったジャガー・ルクルトの熱意と工夫、試行錯誤が感じられる1本に注目だ。

【LowBEAT Marketplaceでほかのジャガー・ルクルトの時計を探す

 

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎BEST VINTAGE

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