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【いまや20店舗以上!】日本最大の時計激戦区“中野ブロードウェイ”に海外愛好家もハマる理由【菊地吉正の時計考_003】

中野駅北口からまっすぐ延びる中野サンモール商店街入り口

先週の土曜日に久しぶりに中野ブロードウェイ(以降「中野BW」)にぶらっと訪れた。週末ということもあって中野駅北口からまっすぐ延びるアーケードの中野サンモール商店街は、通りを埋め尽くすほどインバウンド客でいっぱいだった。

中野BWはサンモール商店街を数分歩いたところにある。1966年に当時としては斬新かつ大規模なショッピングコンプレックス(商業住宅複合施設)として誕生した。地下3階、地上10階建のうち地下1階から地上4階までを商業エリアとし、かつて最大で300以上の収容店舗を誇った。

そんな中野BWを80年代から牽引してきたのは80年にオープンした漫画専門の古書店“まんだらけ”だろう。90年代からはまんだらけに続く様々なマニア向けの専門店が開業。そのため中野BWと聞くとサブカルチャーの聖地としてのほうが一般的に有名で、世界中からマニアが訪れる人気スポットだ。

それがいまや時計関連の専門店(修理・買い取り店含む)が20店舗以上集まる時計激戦区。一カ所で様々な店舗の商品が見られることから日本のみならず海外の時計愛好家からも注目されている。現に今回訪れたときも各時計店には多くの人が訪れており店内にいる客は明らかにインバウンド客という感じだった。しかもアジアだけでなく欧米人も多い。

中野サンモールを数分歩いて行くと「NAKANO BROADWAY」の表示が出てくる。ここから先が中野ブロードウェイだ

ではなぜこんなに時計関連の専門店が増えたのか。きっかけはコロナ前の中国人旅行者による“爆買い”だったようだ。中野BWは日本独自のアニメ文化の発祥地としてPRを強化し多言語化などいち早く訪日外国人客向けの環境も整えた。これが功を奏してインバウンド客が激増したのだ。

筆者も90年代から行っているが中野BWにある時計専門店といえばかつては数軒で5軒にも満たなかったように記憶している。それが2014年以降から徐々に増えて、いまや日本屈指の時計激戦区となった。屋内の限られたエリアにこれだけ多くの時計店が店舗を構える。おそらくは世界中探しても唯一ここだけなのではないか。

しかも中野BWの時計店でうれしいのは、前述したように一カ所で多くの時計が見られることに加えて、特に実力店が軒を並べる3階は、各店舗の入り口が広くて開放的な作りのため入りやすい。対して銀座などにある路面店の場合は最近物騒になったことから、セキリュティー強化のためにロックされていることがほとんど。こういった入りやすさも魅力としては大きいと感じた。ぜひ時間があったら一度訪れてみてはいかがだろう。たとえ時計にそれほど興味がなくても楽しめるに違いない。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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