アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
デイトジャスト
今回紹介するのはロレックスのデイトジャスト Ref.1603だ。
36mm径のコンパクトなオイスターケースにフルーテッドベゼル、ジュビリーブレスレットを組み合わせた王道のスタイルだ。文字盤のネイビー色が落ち着いた印象で、シーンを問わずに活躍できるだろう。インデックス外周のクリーム色に焼けたトリチウム夜光が程よいアクセントになっている。

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref. 1603。SS(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1970年代製。74万8000円。取り扱い店/ムーンフェイズ
【画像:落ち着いたトーンのネイビーが渋い文字盤のほか全4枚】
現行のロレックスを見慣れた人からすると、スリムな形状やヨレたブレスレットから、どこか頼りない印象を受けるかもしれない。しかし、立体感のある文字盤のロゴプリントや磨きこまれた針とインデックスなど、現行品とは異なるベクトルの魅力が詰まっているのだ。
細かいステンレス板を巻いた形状が特徴的なブレスレットは巻きブレスとも呼ばれ、中空であるため非常に軽量で通気性にも優れている。強度的には現行品と比較すると大きく劣るが、時計本体の軽さも相まって、簡単に破損することはないだろう。ただし、定期的なメンテナンスや負担をかけない使い方を心掛ける必要がある。
高い防水性を誇るオイスターケースの中にはロレックスの自社製Cal.1570を搭載。精度をつかさどるヒゲゼンマイに、姿勢差が生じにくい巻き上げヒゲを採用し、従来の緩急針ではなく、テンプの外周に設けられたマイクロステラスクリューによって精度調整を行うなど、精度の向上を目的とした特殊な設計を積極的に採用したキャリバーであった。デイトの早送り機能は備えていないものの、そのシンプルな構造ゆえに故障やトラブルが少なく、現在でも名機として語り継がれている。
注意点として、ロレックスのムーヴメントは、油切れが起きても問題なく稼働してしまう場合が多いため、時間の進みや遅れ、自動巻きローターからの異音、リューズ操作の違和感を覚えた際には早期のメンテナンスをおすすめしたい。修理業者や時計販売店によれば、不動状態になってから持ち込まれた個体は深刻なパーツの損耗や破損を起こしている場合が多く、修理費用が高額になってしまうとのことであった。高額な修理を避けるためにも、時計の不調を感じた場合にはかかりつけの時計店に相談してみてほしい。
ロレックスと言えば、スポーツ系のサブマリーナーやエクスプローラー、デイトナなどが注目されているが、デイリーユースを考えている場合には、程よいサイズで装着性の良い、デイトジャストやオイスターパーペチュアルがおすすめだ。
文◎LowBEAT編集部/画像◎ムーンフェイズ