HTD(エイチティーディー)は、イタリア・フィレンツェを拠点とする独立系マイクロウオッチブランドである。大学で出会った二人の友人フェデリコ・デル・グエッラとフェデリコ・ズリアンによって2020年に設立された。
ブランド名は“Horological Tools Department(時計工具部門)”の頭文字を組み合わせたもので、デザインを学んだ経歴を持つ二人は、機械工学と時計製造への共通の情熱を原動力としてHTDを立ち上げた。
創設者の言葉によれば、HTDは“時計を作るのではなく、道具を作る”ことをコンセプトとしている。
1970〜80年代のヴィンテージウォッチに着想を得て、前世紀の精神を現代に蘇らせることを目指しており、彼らの時計は地元の職人や専門家の技術に支えられ、製造が行われているそうだ。
コレクションはすべて、フィレンツェの自社工房兼ショールームにて設計・組立・整備が行われている。
【画像】型違いで2モデル、“HTD(エイチティーディー)”の人気モデルを見比べる
HTD(エイチティーディー)
ヘサグラフ・カノーリ
最初に紹介するカノーリは、2020年の初期コレクションに登場した人気モデルの再設計版である。
1960年代のクロノグラフなど、レーシングデザインからインスピレーションを受けて製作されたモデルで、スポーティでありながらクラシックな雰囲気を備え、クラシックスポーツカーに初めて乗ったときの感情を想起させる。
オフホワイトの文字盤にブラックのサブダイヤルを配置したパンダ文字盤には、3時位置に60分積算計、9時位置に30分積算計が配置され、赤字でプリントされた“carica manuale(手巻き)”の文字が、シンプルな中に鮮やかなアクセントを添えている。
ケースはステンレススチール製で、サイズは直径39mm、厚さは12.4mm。V字型カーブに仕上げたサファイアクリスタル風防を装備し、50m防水を確保している。
ムーヴメントにはスイスの セリタ製手巻きキャリバー、 SW510 M スペシャル・エラボレを搭載。ブレスレットはオイスタースタイルのステンレススチール製で、フォールディングクラスプとセーフティロックを備える。販売価格は1550ユーロ(日本円で約27万円)である。
HTD(エイチティーディー)
ヘキサグラフバリアントB
次に紹介する、バリアントB は、ゼロから完全に再設計された新作モデルである。
フラットベゼルと新ケースデザインにより現代的な印象を与えられ、ブラウンに経年変化したアンティークウオッチを想起させる赤褐色の文字盤は、光を受けると印象的な反射を見せる。
艶感を備えた文字盤には三つのサブダイヤルが配置された。3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンドをレイアウトしているが、30分積算計のみ5・15・25分には赤のマーキングを施して、レトロな雰囲気が高められている。
ステンレススチールはサイズ が直径39mmと程よいサイズ感で、ポリッシュ仕上げをベースとすることで、ソリッドなブレスレットとコントラストを生み出している。
ケースにドーム型のサファイアクリスタル風防が装備され、50m防水を確保。ムーヴメントはセリタの手巻きキャリバー、SW510 M スペシャル・エラボレを搭載する。
ブレスレットは3連オイスタースタイルのステンレススチール製で、フォールディングクラスプとセーフティロックを備える。販売価格は1550ユーロ(約27万円)である。
【画像】艶のあるブラック文字盤が美しい、ヘキサグラフバリアントBを別アングルで見る
》HTD(エイチティーディー)
公式サイト
https://www.htdwatchinstruments.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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