LowBEAT magazine 最新入荷情報

【マイクロローターを搭載した名機“ポールルーター”とは?】ユニバーサル・ジュネーブの魅力に迫る

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ユニバーサル・ジュネーブ
ポールルーター デイト

今回紹介するのは、1960年代から1970年代頃に製造された、ユニバーサル・ジュネーブのポールルータ デイトだ。ポールルーターは、スカンジナビア航空のアメリカ便就航を記念してリリースされたモデルであり、その名前は北極点を通過するノースポールルートを辿っていたことに由来しているそうだ。

ユニバーサル・ジュネーブと言えば、クロノグラフとマイクロローターの自動巻きムーヴメントが有名で、時計愛好家であれば一度は耳にしたことがあるメーカーではないだろうか。

【写真の時計】ユニバーサル・ジュネーブ ポールルーター デイト。Ref.869115/05/。SS(34mm径)。自動巻き(Cal.1-69)。1970年代製。36万8000円。取り扱い店/WatchTender銀座

【画像:マイクロローターのムーヴメントやケースの状態を見る(全6枚)

 

ビューレンやピアジェ、ユニバーサル社は手巻きムーヴメントに比べ、ローターの分だけ厚みが出てしまう自動巻きを薄型化することを目指し、1950年代中ごろにはローターを時計の機能をつかさどる輪列と同じレイヤーに埋め込むという斬新なアイディアを実現した。それこそが、今日でも一部の高級時計メーカーが採用する“マイクロローター式”の自動巻きムーヴメントだ。そのなかでも、ユニバーサル・ジュネーブのマイクロローター式自動巻きは、比較的頑強で整備性に優れたとされている。薄型化だけに注力せず、実用時の耐久性も視野に入れた設計がなされていたのである。

本個体のムーヴメントには、マイクロローター自動巻きのCal.1-69を搭載。通常の時計とは異なり、主要な歯車をオフセットさせ、空いたスペースに小さなローターを組み込んだ見た目が最大の特徴である。この構造により、ローターがムーヴメント全体を覆わないため、受け板に施されたコート・ド・ジュネーブ仕上げや、テンプ、歯車、そしてカッパー色のマイクロローターの動きまで、一望できるのが魅力となっている。

もっとも、本個体はソリッドバックであるため、ムーヴメントを気軽に鑑賞できないが、シースルーバック仕様にカスタムして、いつでも鑑賞できるようにするのも、ひとつの楽しみ方かもしれない。

ケースデザインに注目すると、ベゼルレスのソリッドなケースの側面に、エッジの効いたカットを入れることで、スポーティーでありながらもドレスウオッチらしいスタイリングに仕上げられている。目立った打痕やキズは見られず、オリジナルのシェイプを保っている。

ヘアライン仕上げのケースに良くなじむ筋目仕上げの文字盤には、植字の立体的なインデックスが採用されており、高級感と視認性を両立させている。ブランドロゴなどの印刷はシンプルだが、バランスよく配置された文字列や洗練されたフォントが美しく、アンティークウオッチならではの質感の良さを感じられる。加えて、ブラスチック風防の中央部には純正仕様の証であるU字のロゴが入っている点にも注目だ。

数あるアンティークウオッチの中でも、現代的な意匠を多く取り入れたポールルーターは、いまなお現役で活躍できるスペックと、タイムレスなスタイリングを兼ね備えた1本としておすすめしたい。

 

【LowBEAT Marketplaceでほかのユニバーサル・ジュネーブの時計を探す

 

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender銀座

次のページへ >

-LowBEAT magazine, 最新入荷情報

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com