LowBEAT magazine 最新入荷情報

【予算20円台で時計を選ぶならアンティークにも注目!】上質なムーヴメントや外装デザインの時計を狙うなら“オールドインター”はいかが?

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


IWC
ラウンド デイト “ビッグケース”

昨今は円安の進行や原材料費の高騰などの影響によって、腕時計の価格も軒並み上昇しており、かつては30万円台で購入できたモデルも、ものによっては2倍近くまで価格が跳ね上がり、以前のように気軽に手を伸ばせる存在ではなくなってしまった。

アンティーク時計の市場においても全体的に相場は上昇傾向にあるが、ロレックスやオメガといった一部の人気ブランドを除けば、比較的緩やかな値動きにとどまっている。

そこで今回は、予算20円台からでも手に入れられる、ムーヴメントや外装デザインにこだわったアンティークウオッチを紹介する。

今回紹介するのは、1968年にIWC(インターナショナル ウオッチ カンパニー)が製造した“ビッグケース”と呼ばれる自動巻きモデルのRef.R820ADだ。アンティークのIWCは “オールドインター”と呼ばれることも多く、上質で質実剛健な時計作りから、コアなアンティーク愛好家に長年にわたって支持されている。

文字盤は60年代当時に流行していた、サンバースト仕上げのシルバートーン仕上げで、立体的な砲弾型インデックスとシャープなドーフィン針を組み合わせたクラシックなデザインが特徴的だ。実用機でありながらも、繊細なロゴプリントやパールドットのインデックスなど、かなり手の込んだ仕上げが採用されている点にも注目したい。秒針についても、ブレスで打ち抜いただけでなく、面を取った立体的で鋭い形状に加工されている。

【写真の時計】IWC ラウンド デイト。Ref.R820AD。SS(36mm径)。自動巻き(Cal.8541B)。1968年製。22万円。取り扱い店/TOKIBANK

【画像:文字盤や針、ムーヴメントの状態を見る(全6枚)

36mm径のステンレススチール製ケースが採用されており、エッジもしっかりと残っている。現在では高い防水性能は期待できないものの、ネジ込み式の裏ブタが採用されている点は、アンティーク時計の扱いに慣れていない初心者にとっても安心できるポイントだ。現代の基準からすると、小振りに思えるかもしれないが、ほどよい厚みと長いラグをもったケースが確かな存在感を放つはずだ。

ムーヴメントにはIWCを代表する自動巻きキャリバーCal.8541Bを搭載。ラチェット機構を応用したペラトン式の巻上げ機構により、耐久性と巻上げ効率に優れ、日常使用でも安定したパフォーマンスを発揮する。個体のコンディションや整備状況によって異なるものの、適切な整備を施せば、現代でも十分すぎるほどの精度を実現できるはずだ。ソリッドバックであるため日常的に鑑賞はできないものの、ムーヴメントの仕上げも美しく、高級機として製造されたことを感じさせる。

また、本個体が販売されていた当時を知る業界人によれば、国産の高級時計と比較しても非常に高価であり、一般人にはとても手が届かないほどの高級品であったと語られている。そんな時計が現在では現実的な価格で手に入る点はアンティークならではの魅力と言えるだろう。

せっかく高価な時計を買うのであれば、外装デザインだけでなく、ムーヴメントの精度と耐久性の向上に真剣に取り組んでいた時代のアンティーク時計も視野に入れてみてはいかがだろうか。同価格帯の現行品と比較しても、圧倒的に高い質感と満足度を得られる “オールドインター” にぜひ注目してほしい。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎TOKIBANK

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