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【現代に復刻されたCal.135の原点】1950年代にゼニスが生み出したクロノメーターの魅力に迫る

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ゼニス
クロノメーター Cal.135

今回紹介するのは、1950年代中頃に製造された、ゼニスの Cal.135 ムーヴメントを搭載するクロノメーターモデルだ。本個体はケース素材に18金イエローゴールドを使用し、1950年代の時計としては大型となる37mm径を採用した希少な一本である。

ケースや文字盤などに目立ったダメージもほとんど見られず、非常に良好なコンディションを維持した逸品だ。

ゼニスの Cal.135 と言えば、2025年のウォッチズ&ワンダーズにて発表された、創業160周年記念モデル”G.F.J.”に搭載されたムーヴメントとして記憶している人も多いのではないだろうか。
復刻された Cal.135 は歯車形状の再設計や各部素材のアップデートが施され、パワーリザーブは約72時間まで延長。さらに日差も±2秒以内に調整されており、ベースとなったオリジナル Cal.135 の設計がいかに優れていたかを改めて実感させられる。

【写真の時計】ゼニス クロノメーター。K18YG(37mm径)。手巻き(Cal.135)。1950年代製。220万円。取り扱い店/プライベートアイズ

【画像:18金製のケースやムーヴメントの状態を確認する(全6枚)

Cal.135 は エフレム・ジョバンによって設計され、1948年から1962年までの間に約1万1,000個が製造されたムーヴメントだ。天文台クロノメーターコンクールを強く意識して開発された高精度機であり、実際に各地の天文台コンクールで上位を独占した実績を誇る。
直径30mmのムーヴメントの約半分を占める大径テンプや、精度の微調整を可能とする渦巻き形の緩急針など、極限まで精度を追求するための工夫が随所に盛り込まれている。

こうした特徴で知られる Cal.135 だが、それを実現するために歯車の配置にも非常に特殊な設計が採用されている。通常はムーヴメント中央に配置され、分針の軸を兼ねる2番車をオフセットし、さらにガンギ車の受け板を独立させてテンプの下へ潜り込ませる構造とすることで、テンプと香箱の直径を最大限に確保する工夫がなされているのだ。

また、2番車をオフセットしたことで分針が針ズレを起こしやすくなる問題に対しては、日の裏車にバネを当ててぐらつきを抑制。加えて、手巻き時の強力なゼンマイのトルクへ耐えるため、はすば歯車を用いたキチ車を採用するなど、精度と耐久性を徹底的に追求した構造となっている。

外観だけを見ると、Cal.135 は古典的な手巻きムーヴメントにも映る。しかしその内部設計には、従来のムーヴメント設計とは一線を画す、極めて先進的な思想が凝縮されていたのだ。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ

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