【1950年代から60年代の時計を復刻】新体制で復活を遂げたスイスの古豪ブランド“オレヒ & ヴァイズ”の動向に注目

》1950年代から60年代の時計に範を得た復刻コレクションを展開

 “Ollech&Wajs(オレヒ & ヴァイズ)”は、軍用時計の製造でも知られる、日本未上陸のスイスの独立時計ブランド。スイスのチューリッヒの拠点で企画立案とデザインを手がけ、スイスの北西に位置するジュラ州のオートソーンで製造、組立、調整、テストを実施している。


 同社の歴史の原点は、チューリッヒ在住のアルバート・ヴァイズとジョセフ・オルヒが1956年にオープンした高級時計店に遡る。 当初、ブライトリングやオメガの時計を取り扱っていたが、後に自社ブランドである“Ollech&Wajs Zurich(オレヒ & ヴァイズ チューリッヒ)を立ち上げた。


 1960年代前半、オレヒ & ヴァイズ チューリッヒはダイバーズウオッチ、ミリタリーウオッチ、クロノグラフなど、プロが仕事で使う特殊時計を主軸に時計の製造を展開。1967年頃発表した減圧ベゼル付き1000m防水ダイビングウォッチ、“カリブ1000”をはじめ、堅牢性、耐久性を備えたオレヒ & ヴァイズの時計は、世界中の兵士、ダイバー、パイロットなど、専門家から高い評価を得ていくことになる。


 多彩な時計を製造していたオレヒ & ヴァイズだが、なかでも同社を象徴するジャンルと言えるのがミリタリーウォッチだ。ベトナム戦争の時代には、最大の顧客であった米軍に時計を供給しており、1960年代半ばのピーク時には、ダイバーをはじめとした時計を年間1万本以上、時計販売店や軍事拠点にある店舗で販売していたとされている。

 1970年代に入ると、スイス国内の賃金の高騰、クォーツショックによる安価なアジア製時計の流入などが影響して生産量が減少していったようだが、アルバート・ヴァイズは、機械式時計の製作一筋にこだわり時計の製造を継続。機械式にこだわったコレクションを展開する数少ないスイスの時計ブランドとして、その矜持を保った。


 オメガ、ブライトリングなどのブランドを扱う高級時計店を原点とするオレヒ & ヴァイズは、ブライトリングとの関係も深かったようで、1978年にブライトリングが清算時にはジンやパテック・フィリップとともに、金型や在庫を調達。70年代後半から95年までの約20年間には、アビエーションという別の時計ブランド名で、ナビタイマーの製造販売を行なっていたという、興味深いバックグラウンドをもっているのもマニア心をくすぐられるポイントといえるだろう。

 1990年代後半からは、ダイバーズウォッチ、クロノグラフなどを発表してブランドの再ローンチを行ったが、アルバート・ヴァイズは2016年に会社を売却することを決断。現在は、新しいオーナーのもとで過去のコレクションをベースにしたヘリテージコレクションを展開している。今回は、そんな現行のオレヒ & ヴァイズから、代表作と言える二つのモデルを紹介しよう。


Ollech&Wajs(オレヒ & ヴァイズ)
OW C-1000

 “OW C-1000”は、アンティークを思わせる小振りな39.56mmのケースを採用しつつ、1000mの防水性を備えたダイバーズウオッチコレクション。

 ねじ込み式リューズとサファイアクリスタルを採用しており、ベルトはイタリア製ラバーベルトまたは英国製ナイロンベルトの2種類から選択可能。ムーヴメントはETA社の2824-2をベースにしたCal.2824-2 OW5を搭載し、販売価格は1456スイスフラン(約17万5千円)。


Ollech&Wajs(オレヒ & ヴァイズ)
OW Ocean Graph S

 1968年に発売された“OW Ocean-Graph”をはじめとするプレシジョンラインを継承するモデルで、ダイバーが減圧時間を計算できる減圧ベゼルが搭載されているのが特徴。ケースサイズは39.56mmで、1000m防水機能を備えており、ねじ込み式リューズにサファイアクリスタルを採用。1960年代にオレヒ & ヴァイズで標準装備されていたブレスレットからインスピレーションを得たという、独自のビーズオブライスステンレススチールブレスレットが付属しているのもマニア心をくすぐるポイントと言えるだろう。

 ムーヴメントは5つのポジションで調整されたETA社の2824-2をベースにしたCal.2824-2 OW5を搭載。販売価格は1696スイスフラン(約20万4千円)。


》Ollech&Wajs(オレヒ & ヴァイズ)公式サイト
https://ow-watch.ch/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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