Wicked Watch Co.(ウィキッド・ウォッチ・カンパニー)は、スイス北西部・バーゼル近郊のライナハに拠点を持つ、日本未上陸の独立系マイクロウォッチブランドだ。
2018年からプロトタイプの開発を開始し、デザインとサプライヤーの選定など試行錯誤を経て2019年にパスカル・ザング-アイネッガーによって設立された。

ブランド名の“Wicked”は“邪悪”を意味するものではなく、“妥協なく個性的”であることを意味しており、職人技術、先進的な素材、革新性をキーワードとして、派手な宣伝なしに、家族経営で機械式時計を少量生産している。
“時計はステータスではなく、性格を反映すべき。時間はエリートだけのものではなく、すべての人のもの”というコンセプトを掲げているのも同社の特徴だ。
手の届く価格で高品質で個性的な時計を製造するため、貿易会社や匿名の工場ラインに依存することなく、スイス、ヨーロッパ、そして中国の選定されたサプライヤーと提携しており、すべての時計は、専門のチームによって設計・組み立てを実施。
5軸CNC、ワイヤーEDM、レーザー加工、マイクロフィニッシングなどを組み合わせた先進的な製造体制のもと、0.01 mm の許容差まで厳密な重要な部品を製造し、スムーズな組み立て、安定した性能、長期的なサービス性を実現している。
今回は、小ロットで、複雑な形状や幅広い素材、洗練された仕上げを施した時計を生み出しているウィキッドから、二つのモデルを紹介したい。
【画像14枚】セイコー製メカクォーツと200m防水ダイバー、“ウィキッド”の時計を見比べる
Wicked Watch Co.(ウィキッド・ウォッチ・カンパニー)
フル ティマスカス パール ダイバー V2
フル ティマスカス パール ダイバー V2は、際立った個性と200m防水のスペックを兼ね備えた本格派ダイバーズウオッチだ。
モデル名の“ティマスカス”とは、古代に製造された“ダマスカス鋼”にインスパイアされたチタン合金のこと。ケースと120クリックの逆回転防止ベゼル、そして文字盤にこの“ティマスカス”を採用しており、様々なチタン合金を融合させることで生まれる虹色の層状パターンが光の当たり方や角度によって表情を変える。
ケースと同じくティマスカスを採用した文字盤には、古代の剣や槍にインスパイアされた真鍮製(金メッキ)の針とアプライドインデックスを配置。

針、インデックス、そしてベゼルの目盛りには日本の根本特殊化学製のスーパ―ルミノバが塗布されており、夜間でも最適な視認性が確保されている。
サイズは直径が39mmで、ラグトゥラグで47mm、厚さが11.5mm。洗練された快適なプロファイルを備えたケースには、内側に反射防止コーティングが施されたサファイアクリスタル風防とネジ込み式リューズが装備され、プロ仕様の200m防水が確保されている。
ムーブメントはミヨタのハイビート自動巻きキャリバー、9039を搭載。チタン製バックルを装備したFKMラバーベルトが付属しており、販売価格は日本円で約15万円だ。
【画像14枚】ケースの模様をさらに拡大、“フル ティマスカス パール ダイバー V2”を別アングルで見る

Wicked Watch Co.(ウィキッド・ウォッチ・カンパニー)
ウーコン エディション
次に紹介するウーコン エディション は、16世紀の古典中国小説『西遊記』の英雄である“ウーコン(悟空)”にインスパイアされたクロノグラフだ。
妖術を極め、縦横無尽に暴れ回るやんちゃさと、驚異的な力、そして優れた知性を兼ね備えた“ウーコン(悟空)”は、時代を超えた“不屈の精神・反逆の志・魂の救済”の象徴となっており、本作はその力強いアイデンティティを体現している。
ケースは316Lステンレススチール製で、古き良き寺院の屋根が描く優美な曲線からインスピレーションを得たベゼルを装備。ラグの側面とケースバックにブラッシュ仕上げ、ラグの上面、裏面、そしてベゼルにはポリッシュ仕上げを採用。スリムなシルエットでクラシック感を演出しながら、同時に光と質感のダイナミックな相互作用を生み出している。

文字盤は鮮やかな赤と深い黒の2色展開で、12時に“悟空”の頭にはまっている緊箍児(きんこじ)風にアレンジされたブランドロゴ、6時位置に“一念成魔 一念成佛”の格言をデザイン。
3時位置には24時間表示、9時位置に60分積算計のサブダイヤルが配置され、いずれも一段低く配置することで全体の奥行きを演出し、メインダイアルとのコントラストが視認性を高めている。
アプライドのブレゲ数字インデックス、鋭いソード(剣型)デザインの時分針のほか、“悟空”の伝説的な武器である黄金珏珏(黄金の如意棒)をモチーフにした秒針も、こだわりを感じさせるポイントだ。先端と根元をゴールドに仕立てており、個性的でありながら、洗練されたクラシックなデザインに仕上げられている。
ムーブメントはセイコー(TMI)製のメカクォーツキャリバー、VK64Aを搭載。ケースは直径38mm、厚さ11mmという絶妙なサイズ感で、ケースバックには悟空にとって“抑制”と“覚醒”の象徴である“六字真言(ろくじしんごん)”が刻まれている。
サファイアクリスタル風防を装備し、安心して日常使いできる50m防水を確保。マットブラックのレザーベルトのほか、スペアとしてプレミアムFKMラバー製ベルトが付属して、販売価格はシルバーケースが日本円で約7万3000円、IPゴールドケースが約8万円だ。
【画像14枚】文字盤とケースの仕様違いで全4モデル、“ウーコン エディション”のデザインを見比べる
》Wicked Watch Co.(ウィキッド・ウォッチ・カンパニー)
公式サイト
https://www.wickedwatch.ch
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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