様々な背景をもつゲストにスポットを当て、時計との思い出を含めたインタビューを行いながら、それぞれの想いや価値観を紐解いていく連載企画、Time Files(タイム ファイル)。
第5回は風俗嬢を経て、精神面の持病の治療を続けながら日々奮闘を続けるみみさん(仮名)をフォーカス。風俗嬢時代のリアルなエピソードを含め、彼女の波乱に満ちた人生や今後の展望を伺った。

みみ(仮名)
福岡県の高校を卒業後、大学時代に学費を稼ぐために風俗嬢に。24歳のときに強姦(強制性交)の被害に遭い、現在は精神面の持病の治療で通院しながら風俗業とはまったく別の分野の仕事を行っている。今後については「年齢的にそろそろリミットが近付いているので、赤ちゃんがほしいです」と語る。
●いじめられっ子だった小学生時代、高校受験の苦い思い出
「小学生の頃はいじめられっ子でした。でもあまり気にしてなくて。その都度、泣いたり嫌な気分になったりはするんですけど、それだけというか。転校が多かったせいもあるかもしれませんが、どうせいつか離れるんだしどうでもいいやみたいな感覚でしたね」
高校受験では志望校に不合格。いまでも忘れられないほどのショックだったそう。
「親からも言われるくらい本当に勉強しかできない子だったので、それが否定されたみたいで本当に落ち込みました。滑り止めの私立高校に特待生で入学したんですが、○○高校(私が落ちた公立高校)に行けなかった落ちこぼれみたいな扱いをされるんです。風紀検査も異常なぐらい厳しくてあまり楽しい思い出はなくて…。とにかく早く卒業したかったです」
●大学デビュー、成人式ではご両親から腕時計をもらうも…
「黒歴史だった高校時代の反動もあり、大学に入ったら髪を染めて眼鏡もコンタクトに変えていわゆる大学デビューしました。人生でいちばん遊んだ時期だったと思います。とにかく楽しかったです(笑)」
成人式では、ご両親から記念に腕時計をプレゼントされたそう。

成人式での振袖姿と当時のプリクラ写真
「高校時代から1000円ぐらいの安い腕時計しか使っていなかったんですが、ちょっと良い時計を貰って。気に入って外出時はいつも身に着けていたのですが、ある日落としてバックル部分の金具が壊れてしまいました」
ブランドは気に留めておらず覚えていないと話すが、2000年代半ばに売られていたレディース時計で、薄いピンクの文字盤内にオレンジ背景の白文字ロゴ、メタルブレスレットのタイプだったとのこと。
「見たら思い出せると思うんですが…どなたかおわかりの方いらっしゃいますかね?それ以降はスマホだけで、新しい時計は着けていません。もうすぐ節目の歳を迎えるので、自分へのご褒美も兼ねて久しぶりに買ってみようかな」
●大学を留年、学費を稼ぐため夜の世界へ
充実した大学生活を送っていた一方で、遊びすぎてしまった影響もあり大学を留年。短期間で学費を賄うために風俗嬢としてアルバイトを始める。
「奨学金を借りていて、最初は半期ぶんの学費の30万円ぐらいを稼いだらすぐ辞めるつもりでした。ただ、始めてみると面白くなってしまって。でもそうやって続けていくうちにホストクラブに通ったりし始めて、結局いくら働いても貧乏みたいな(笑)」

メイドコスプレ衣装姿と当時の宣材写真
意外にも、風俗の仕事自体にはそこまで大変さを感じなかったそう。
「お客さんの言動でストレスを溜めたり病んだりする子も多いですけど、そのあたりはわりと楽しめるタイプで。むしろ大変だったのは内輪のほうですね。女の子どうしバチバチになって匿名掲示板で叩かれたりして、そういうのは辛かったです」
大学卒業後も仕事を続け、休止期間を挟みながらトータルで10年弱は働いたと話すみみさん。顧客とのトラブルで中絶手術も経験するなど、波乱万丈の日々のなかでどこに面白さを感じて仕事を続けることができたのか。
「どうやれば集客でき、指名してもらえるかを考えることを楽しんでいましたね。当時はいわゆる写メ日記などが出始めた頃で、どう工夫して自分の色を出せるか試行錯誤してました。独自の無料オプションを充実させたり、衣装やグッズを自前で用意して持ち歩いたりして。とにかく周りとの差別化を図ってましたね」
