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IWC ヨットクラブ【ドレッシーだけどタフなスポーツウオッチ?】“精度×巻き上げ効率×耐久性”を兼ね備えた名作アンティークウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


IWC
ヨットクラブ

今回取り上げるのは1968年頃に製造されたIWCのヨットクラブだ。

本シリーズは1967年に登場したとされており、その名が示すようにヨット乗りのために設計された時計であったとされている。質実剛健な時計作りが特徴的なアンティークのIWCのなかでも、耐衝撃性と防水性を意識した設計が魅力的なシリーズだ。

その中でも、本個体はシルバーのサンレイ文字盤にバーインデックスとペンシルハンドを組み合わせたオーソドックスなデザインが魅力的な1本だ。ねじ込み式の裏ブタや防水性があることを意味する魚マークのリューズを備え、ゲイフレアー社製のステンレスブレスレットを装着している点も見逃せない。ただし、経年劣化によるパッキン類の劣化が考慮されるため、パッキン類を交換したうえで、高温多湿の環境や水気を避けて使用することを推奨する。

【写真の時計】IWC ヨットクラブ。Ref.R811AD。SS(36mm径)。自動巻き(Cal.8541B)。1968年製。36万3000円。取り扱い店/TOKIBANK

【画像:サンレイ文字盤の細部やケース内部のムーヴメントを見る(全8枚)

一見すると、ごく普通の実用時計にも思えるヨットクラブだが、ケース内部でムーヴメントをスペーサーで保持し、5つのラバーパーツで宙づりにする構造を採用する特殊な構造を採用することで、優れた耐衝撃性を実現していたようだ。

このようなラバー素材による耐衝撃構造は優れた衝撃吸収性を備えていたため、IWC以外の時計メーカーでも採用されていたことが確認されている。筆者が確認している範囲では、スイスの時計メーカー“サーチナ”が59年から製造を開始した“DS(ダブルセキュリティ)”シリーズ。そして旧チェコスロバキアの国営企業であったクロノテクナ社のブランド、“プリム”が、チェコスロバキア軍に納入するため65年に製造した軍用時計“ORLÍK(オルリーク)”などが、同様にラバーによる耐衝撃構造を採用していた例として挙げられる。

搭載されるムーヴメントにも、インカブロック式の耐震装置や、自動巻きローター軸への衝撃を低減する機構が備えられていたが、それらをさらに補完するかたちで耐衝撃性を高めていた点は興味深い。もっとも、クッションの役割を果たすラバーパーツが劣化・硬化してしまうと、緩衝材として機能しないばかりか、砕けた破片がムーヴメントへ悪影響を及ぼす可能性もある。そのため、劣化が見られる場合には、オーバーホール時などに互換品へ交換してもらうことが望ましい。

ムーヴメントには精度と耐久性を重視した堅牢な設計のCal.8541Bを搭載。ツメとラチェット機構を応用したペラトン式巻き上げ機構を採用することで、優れた巻き上げ効率と耐久性を実現していた。精度に優れたベースムーヴメントと、この機構を組み合わせることで、IWCは精度・巻き上げ効率・耐久性の3要素を見事なバランスで実現していたのだ。

初めてアンティークウオッチの購入を検討している人や、日常使いできるアンティークウオッチを探している人には、今回取り上げたヨットクラブのような耐衝撃性を備えたモデルをぜひおすすめしたい。製造から半世紀以上が経過したアンティークの機械式腕時計である以上、丁寧に扱うことは大前提だが、日常生活での使用には十分な耐久性を備えている。華奢で壊れやすい印象をもたれがちなアンティークウオッチだが、優れた設計のモデルはいまなお現役で稼働し、十分な性能を発揮してくれるはずだ。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎TOKIBANK

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