
今回は現在猛勉強中のヴィンテージのセイコーから1964年に登場したグランドセイコーの第2世代“セルフデーター”、その中でも製造数がそもそも少なく、極めて希少な18金イエローゴールドモデルを取り上げたいと思う。実のところ筆者も気になっているモデルのひとつなのである。
まず、セルフデーターについておさらいすると、初代グランドセイコーからの変更点は端的にいうと12時位置の「Grand Seiko」が6時位置に移動、代わりに「SEIKO」のブランドロゴになったこと。そしてなによりも実用性が向上したことが挙げられる。
裏ブタはスクリューバック仕様の防水ケースとなり、外装もそれまでの真鍮に14金の薄い層を貼り合わせた金張りケースからステンレススチールケースに変更されたことでより堅牢性、耐久性ともに格段にアップした。
ムーヴメントついてもデイト機能が追加されて実用性が上がったと同時に、パーツの摩耗を軽減する受け石も25から35石に増やされるなど耐久性も向上したのでる。つまりこれがヴィンテージのグランドセイコーを狙うならまずは第2世代からがオススメだと言われるゆえんだ。
そんなセルフデーターに、1964年9月に新たに追加されたのが18金イエローゴールドケース(Ref.5722-9000)である。ここに取り上げた個体はまさに初期出荷のモデルだ。それはムーヴメントと文字盤にプリントされた表記を見るとわかる。
この個体に搭載されているCal.430はセカンドモデルの初期、1965年中ごろまで製造されて搭載されたムーゔメントであり、その後にCal.5722A→Cal.5722Bに移行していることからも初期の個体と一致する。

文字盤は12時位置のブランドロゴ下の「Chronometer」、加えて6時位置には初代グランドセイコーと同じ古い書体の「Grand Seiko」と「Diashock 35 Jwewls」がプリントされており初期に採用された仕様だとわかる。なぜかというとその後に12時位置の「Chronometer」が削除されロゴのみに。6時位置には植字の「GS」マークが追加され、すべと大文字の「GRAND SEIKO」と「DIASHOCK」に変更されたからだ。
ケースについても触れておきたい。この個体と同じ初期のケース番号5722-9000は、64年に一度製造されたものをストックしてその年ごとに順次、新しい文字盤とムーヴメントを組み込むなどしてその後も使われていたらしいが、それも67年に1度変更されているのだ。
65年になってステンレスケースタイプのムーヴメントがCal.430から5722Aに移行したのに伴ってケースも変更。66年に追加された260ミクロンの金を被せたキャップゴールドケースでは、ムーヴメントのケーシング方法が改良されているが、67年には18金ケースもこのキャップゴールドと同じ構造のケースに変更されているのだ。そしてケース番号も5722-9000か5722-9001へと変更された。
このようにセルフデーターは、自動巻きとなる第3世代の61 GSに移行する1968年までの4年間、様々なマイナーチェンジが実施された。しかしそれらの切り替え時期が曖昧のためその後の整合性を明文化することが難しい。つまりこれがグランドセイコーの厄介なところでもあり、愛好家がハマるいちばんの魅力なのだろう。
実用性の高いセルフデーター、なかでも18金ケースはアンティーク市場での流通数も極めて少ない。それにもかかわらずスイスブランドに比べるとまだまだコストパフォーマンスは高い。予算的に許されるのであれば一考の価値はかなりあると思う。ちなみにここに取り上げた初期出荷の個体ならば、ケース、文字盤、ムーヴメントとすべての整合性は取りやすい。
時計:グランドセイコー セルフデーター
Ref.5722-9000。K18YG(36mm径)。手巻き(Cal.430)。1964年製。187万円
協力◎JAPAN VINTAGE WATCH SHOP
https://lowbeat.jp/jvw-shop/year/1960/grand-seiko-2nd-modelgrand-seiko-k18yg-ref5722-9000/

