【WLN女子部・ロレックス連載】アンティークらしい小振りで凝ったデザインのオススメ3モデル

 5カ月に渡り連載をしてきたレディースロレックスの企画もいよいよ最終回となりました。今回はアンティークロレックスのなかからオススメの3本を紹介しながら、その魅力を紐解いていきたいと思います。

【アンティークロレックスの魅力】

 まず“アンティーク時計の良さ”から説明します。現在は工業化が進み、クォーツから機械式時計まで広く大量生産が可能となっていますが、アンティーク時計の時代において、現在よりも機械に頼れる工程が少なく、人の手で組み上げを行ったり、仕上げ作業を行ったりと手間をかけて丁寧に作られていました。この丁寧な作り込みが、量産モデルとは異なる、手仕事ならではの温かみのある美しい仕上がりを実現しているのです。

 ではアンティーク時計のなかでも“ロレックス”の魅力はどういった部分にあるのでしょうか。
 レディースのアンティークロレックスの魅力をひと言でいえば、ひとつ一つ個性が光るデザイン。当時のカタログを見るとわかりやすいのですが、同じスクエアケースでも、角に丸みのあるスクエア、エッジが効いたスクエアなどケースの形状にも違いがあり、さらにベゼルに刻みが入ったフルーテッドタイプのものや、カットガラスをあしらったものなど種類は実に豊富です。

〈1960年代のロレックスが使っていたカタログ資料〉

 ラグデザインも含めれば1点1点少しずつ異なり、ひとつの型を量産することもなかったため、現在となっては入手困難である“希少性”も大きな魅力です。また、現行モデルよりも小振りなモデルが多く、可愛らしいデザインが引き立ちます。

【アンティークロレックスの種類】

 レディースのアンティークロレックスのなかでも、コレクションとして確立されているのはベルトを自由自在に付け換えができる“カメレオン”、そしてドクターズウオッチとして知られるプリンスのレディース版である“プリンセス”が挙げられます。しかしこのほかにもケース素材、文字盤、ベルトのデザイン違いで、多種多様なモデルが存在しています。現行品のオイスターパーペチュアルやデイトジャストに繋がるモデルなどもあり、とても魅力的です。

【これがオススメ! 筆者が気に入ったアンティークロレックスを3本ピックアップ】

 アンティークロレックスの種類を豊富に取り揃えているベティーロード。今回は店舗にあった様々なモデルのなかから、アンティークらしい“小振り”かつ、“凝ったデザインのモデル”を3本選んでみました。

アクセ感覚で着けられる、カットガラスのブレスモデル

 オールシルバーカラーで統一されたシンプルな1本。風防には多面にカッティングが施されたカットガラスが採用されており、光の当たり具合によってキラキラと輝きます。ガラスに細かい細工を施した、アンティークだからこそ楽しめるデザインです。

プレシジョン。Ref.2604。K18WG(15mm径)。手巻き(Cal.1400)。1960年代製。35万2000円


ボーイッシュな雰囲気の、フルーテッドベゼルモデル


 文字盤に、現行品では見られないバーリーコーンが施された特徴的なプレシジョン。細かな凹凸とくさび形インデックスのコンビネーションが、腕元にさりげないアクセントをもたらしてくれます。現行品でも人気のフルーテッドベゼルを採用し、エレガントな雰囲気をも楽しめるモデルです。
プレシジョン。Ref.6525。SS(22mm径)。手巻き(Cal.1100)。1940年代製。20万9000円


クラシックで可愛い、ゴールド丸型モデル


 ほんのり焼けた文字盤と飛びアラビアが特徴的なオイスター。太いフォントのインデックスや、5分ごとに数字が振られた分表示など、視認性を十分考慮したデザインで実用性にも優れています。また先端が伸びたペンシル針を採用したことで、デザインにユニークなアクセントを加えています。
オイスター。Ref.3732。金張り(23mm径)。手巻き。1948年製。25万3000円

【取材協力】
ベティーロード
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文◎佐波優紀(編集部)