菊地の【ロレックス】通信 No.085|新作発表まで約3週間、2候補の上昇が気になる現在の実勢価格相場は?

 カルティエ、ヴァシュロンコンスタンタン、A.ランゲ&ゾーネなどを擁するリシュモングループが2021年新作モデルを発表するウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ。今年からロレックスも参加するということでさらに注目が集まることが予想される。そして、その発表日である4月7日まで残すところ約3週間に迫った。さて、今年はどんな新作が発表されるのだろうか。

 ロレックスについては、毎年発表が近づく数カ月前になると、どんな新作が出るのか、SNS上ではその予想合戦で盛り上がるのだが、今年はなぜかいつもに比べるとかなり静かに感じるのは筆者だけだろうか。恐らくはモデルチェンジが想定されるモデルについてある程度絞られているということもひとつには関係しているのかもしれない。

 同連載でも以前の記事でそんな想定される5モデルを順に追って紹介したが、そのひとつだったサブマリーナーが2020年にモデルチェンジされたため、残すはエクスプローラー I と II、ミルガウス、そしてエアキングの4モデルとなった。

モデルチェンジが想定されている右の二つがエクスプローラー II で左がエクスプローラー I 。実勢価格は II が急激に上昇しているため、2021年は II が実施されると市場はみているようだ

 注目はやはり写真のエクスプローラー I と II だろうか。エクスプローラー I については、新型ムーヴメントのデイト無しタイプが20年に発表されているため、いつモデルチェンジが実施されてもおかしくはない。ただ、エクスプローラー II は今年が誕生からちょうど50年目という節目の年。話題性という点でも II のほうがタイミング的にはちょうど良いのは誰がみても明らかなのだが、はたして結果やいかに…。

 ちなみに、並行輸入の実勢価格の動きを見ても、両モデルともにかなり注目度が上がっていることがわかる。その上昇率は明らかにエクスプローラー II のほうがダントツに高い。値動きからしても II のほうが色濃いと予想しているユーザーが多いことの表れと言える。

■ 主要11モデルの月間ロレックス相場(3月12日更新)
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GMTマスターII/Ref.126710BLRO】国内定価102万800円
・実勢価格:209万円→216万円(↑) 先月より7万円アップ

【デイトナ/Ref.116500LN】 国内定価138万7100円
・実勢価格:319万円→326万円(↑) 先月より7万円アップ

【サブマリーナーデイト/Ref.126610LN】 国内定価94万3800円
・実勢価格:150万円→151万円(↑) 先月より1万円アップ

【サブマリーナーデイト グリーン/Ref.126610LV】 国内定価98万7800円
・実勢価格:202万円→206万円(↑) 先月より4万円アップ

【ミルガウス/Ref.116400GV】 国内定価87万6700円
・実勢価格:101万円→109万円(↑) 先月より8万円アップ

【ヨットマスターロジウム/Ref.126622】 国内定価126万5000円
・実勢価格:161万円→161万円(→) 先月と変わらず

【ディープシー/Ref.126660】 国内定価133万1000円
・実勢価格:149万円→147万円(↓) 先月より2万円ダウン

【エアキング/Ref.116900】 国内定価67万6500円
・実勢価格:81万円→89万円(↑) 先月より8万円アップ

【デイトジャスト/Ref.126200】 国内定価74万3600円
・実勢価格:76万円→75万円(↓) 先月より1万円ダウン

【エクスプローラーII/Ref.216570】 国内定価87万5600円
・実勢価格:120万円→141万円(↑) 先月より21万円アップ

【エクスプローラーI/Ref.214270】 国内定価68万7500円
・実勢価格:106万円→118万円(↑) 先月より12万円アップ

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。