芸能人の愛用時計

愛川 欽也 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.47)

高級品からデジタルウオッチまで幅広く揃ったコレクション。文字盤に大きく“愛”と書かれた時計など、遊び心を感じさせる

 

芸能界の大御所だけに、さぞや豪華な時計コレクションを所有していると思われた愛川さん。たしかにロジェ・デュブイ、オーデマ ピゲ、フランク・ミュラーといった名だたる高級時計もちゃんと所有しているが、そうした高級品よりもずっと愛着があるのは、旅先などで買い集めたチープな時計たちだという。

特に気に入っているのは、文字盤に『出没!アド街ック天国』でともに司会を務める大江麻理子アナと一緒の写真がデザインされたアイテムだ。

「この時計は『アド街』ファンの時計屋さんが特別に作って贈ってくれたもの。もちろん世界に1本しかないものだし、面白いから最近はこればかり使ってるよ。高級な時計は全部かみさん(うつみ宮土理さん)がプレゼントしてくれたものだね。あの人は僕なんかよりよっぽどいい時計を持ってますよ。自分が時計を買ったときに、自分だけじゃ悪いと思って僕にも買ってくれるみたいだね(笑)。でも僕自身は、高級品に対するこだわりはほとんどないんだ。それよりは安くても面白みのある時計のほうが好きだね。自分で買うのは安物ばっかりだな。それがいつの間にか溜まっちゃったんだ」

僕自身は、高級品に対するこだわりはほとんどないんだ。
それよりは安くても面白みのある時計のほうが好きだね---

「先輩がしていたタツノオトシゴのマークが入った時計(ラドーのゴールデンホース)だね。当時は高級品だったけど、自分はそのころまだ貧しかったからとても買えなかった。その後にラドーの時計を買ったこともあるけど、もうあのモデルは売ってなかったね。今でもあの時計のことはよく覚えているよ」

現在の愛川さんはテレビ番組での司会業のほか、今年新しく中目黒に劇場“キンケロシアター”を開設し、さらには新作映画の監督も務める予定がある。非常に多忙なスケジュールを精力的にこなしているのだ。

本当に休んでいる暇がないんだよね。だから僕自身が時計の針みたいな男なんだよな。いつでもせわしなくクルクル回っててさ(笑)

「約束の時間ギリギリで動くのって嫌いなんだよ。かみさんは自分の乗る新幹線を待たせて怒られるほうだけど、僕は何時間も前に駅に着いて、駅弁を買って、発車する前に食べちゃうタイプ(笑)。とにかく余裕をもって行動したいんだ。今もいろいろ忙しいんだけど、それも自分でそう仕向けちゃってるんだよな。新しく作った劇場の業務があるし、自分の劇団もあるしね。劇団キンキン塾は今年が10周年だから、これまでは演出だけだったけど今回は出演もすることになっちゃって、二重に忙しいんだよ。その舞台が終わると自分で監督する映画のロケハンもしなきゃいけないし、本当に休んでいる暇がないんだよね。だから僕自身が時計の針みたいな男なんだよな。いつでもせわしなくクルクル回っててさ(笑)。でもそういうのが性に合ってるんだろうね」

 

愛川 欽也俳優)
KINYA AIKAWA 1934年6月25日、東京都生まれ。俳優座を経た後、アニメや海外ドラマの声優などさまざまな職業を経験。70年代にはラジオ深夜番組のDJとして人気を獲得し、その後は映画『トラック野郎』シリーズのやもめのジョナサン役のほか、『11PM』『シャボン玉こんにちは』『なるほど!ザ・ワールド』『出没!アド街ック天国』などの司会者をこなすマルチタレントとしてよく知られる。劇団キンキン塾を主宰するなど、現在でも舞台に熱い情熱を注いでいる。

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