【ロレックス】通信 No.046|モデルチェンジ候補・第3弾|知ってるようで知られてない意外な使い方「エクスプローラー II 」(前編)

 もはや旧型となってしまった3100系の自動巻きムーヴメントをいまだに搭載するモデルを2021年のモデルチェンジ候補として順次紹介している本企画。今回から第3弾としてエクスプローラー II(以降EX II) を2回に分けて取り上げる。前編はEX II とはどんなモデルなのかをまず簡単に紹介したい。

 EX II は、エクスプローラー I (以降EX I )の進化系として1971年に登場。EX I が誕生してから実に18年後というタイミングだった。なぜ登場するまでにこんなに間が空いたのか。一説には、EX I の人気に陰りが出てきたため、その打開策としてということが背景にあったとも言われる。そのため、その進化版というコンセプトのもと、II と名付けられたということらしい。

 イメージ的にも探検家向けを想定していたEX I のDNAを残しつつ、探検家は探検家でも洞窟探検など昼夜を判別しにくい場所を想定し、デザインや機能に新たな特徴を持たせることで差別化が図られた。

 実際にこれが見事に当たり、何とEX II だけでなくEX I にも注目が集まり、人気が回復したと言われるほどだったようだ。

白文字盤タイプ。SS(42mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3187)。現在の実勢価格108万円(国内定価87万5600円)

 さて、現行のRef.216570は2011年に登場した4代目。3台目からの大きな違いは三つ。ひとつはパラクロム・ヒゲゼンマイの採用に加え、EX I と同様に耐震機構、パラフレックス ショック・アブソーバーを装備したEX II専用ムーヴメント、Cal.3187が搭載されたこと。

 もうひとつはケース径が2mmサイズアップし42mmに大型化されたこと。そして三つ目は、24時間針のデザインだ。ファーストモデルのような矢印をかたどったかなり大振りなものに変更されたのである。

 しかし、この大振りサイズと主張の強い24時間針が好き嫌いを強めてしまった感は否めない。ただ、スペック的には名前に恥じない作りとなったことも確かだ。

 EX II は、前述したとおり、現在時刻が昼なのか、それとも夜なのかを判別することが難しい環境下での使用を想定して開発されたものだ。

 そして、それを容易に確認できるようにと装備されたのが、24時間表示ベゼルと24時間針なのである。その仕組みはいたって簡単。時針が指し示している現在時刻と同じベゼル上の数字を、時針と連動して常に動いているオレンジの24時間針も指し示している。つまり、それによって現在時刻の午前・午後を容易に判別できるというものである。

GMT機能に加えてコンパスとしても使える24時間針

出典「改訂版・ゼロからわかるロレックス」(シーズ・ファクトリー刊)より

 EX I に比べると、EX II の実用性は格段に高い。デイト表示はあるし、24時間表示、さらに単独可動する時針を使えば、GMTマスター II のように時差のある二つの国の時刻も同時に確認できるという、かなりのスグレモノなのである。そこで、知らない方のためにGMTウオッチとしての使い方をここで簡単に触れておきたい。

 例えば日本から海外に出張に行くとしよう。現地に到着したら、まずはリューズを1段引いて時針のみを単独可動できる状態にする。そして、出張先である国の現在時刻に、時針を合わせるだけでOK。このとき、オレンジの24時間針は動いていないため、そのまま日本の時刻を指し示しているというわけだ。

 また、いまどきあまり使うことはないかもしれないが、24時間針は北半球に位置する場所ではコンパスとしても使えるのだ。やりかたはいたって簡単で、時計を水平にして時針の針先を太陽に向けるだけ(曇りでは使えない)、そのときに24時間針が向いている方角が北というわけである。ただし、短針を動かさず、24時間針が指す時間と時針の時間が同じとなる、EX II 本来の通常状態であることが前提だ。

 なお、現行EX II の現在の実勢価格は108万円(国内定価87万5600円)。

来週は後編として、購入のポイントなどについて取り上げる。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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