国産時計

【2度見必至!?】個性派オリエントの傑作モデルが進化して帰ってきた!

 2020年、ブランド誕生から70周年を迎えたオリエント。
 オリエントは、リーズナブルな価格で良質な機械式腕時計を展開する国際的ブランドとして広く認知されるが、一方で熱心な時計愛好家からは“国産時計界の異端児”と評され、根強い支持を獲得している。

 異端児たるゆえんは、誕生以来、独創的なデザインを取り入れたモデルを次々と発表し、他と一線を画した独自路線を歩んできたことに起因している。

 文字盤に多面カットしたガラスをセッティングしプリズム効果を与えた“フラッシュ”や、ムーヴメントに100もの石をセッティングした“グランプリ100”など、その70年の歩みのなかで生み出したユニークモデルは枚挙にいとまがないが、そのなかでもひと際異彩を放つのが、2005年に発表された“レトロフューチャー”シリーズだろう。

 1950年代のバイク、ギター、そしてカメラなど趣味性の高いアイテムのディテールをウオッチデザインに落とし込んだ同シリーズは、オリエントの異端児たる独創性が十二分に発揮されたモデルである。

左は自転車(2009年発表)を、右はギター(2013年発表)のディテールをウオッチデザインに落とし込んだレトロフューチャーシリーズ

 

 そのレトロフューチャーシリーズが誕生70周年を祝してリバイバルされた。
 今回、復活を果たしたのはシリーズのなかでも高い人気を誇った“カメラ”のみとなるが、それは当時の“焼き増し”などではない。
 基本コンセプトは受け継ぎつつも、一見して違いがわかるほどの進化を遂げているのだ。

 とりわけ注目したいのは、外装クオリティの向上であろう。ケースの仕上げ分けに加えて、エッジの立ち具合、面の平滑さなどが改善され、造形がより洗練されたのである。これにより、ユニークでありながらも大人が持つにふさわしい高級感を併せ持たせた。
 15年の歳月が、オリエントブランドの技術力をさらに高めていったことを物語る造形だ。

 

 

ジャガーフォーカス文字盤を与えたリミテッドモデル

Ref.RN-AR0204G。SS(40.8mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.F6S22)。世界限定2300本(国内1000本)。5万8000円+税

 復刻されたレトロフューチャーカメラはレギュラー仕様として3モデルが展開されるが、これに加え、ジャガーフォーカス文字盤を採用する数量限定モデルが存在する。

 このジャガーフォーカスとは、時計好き以外の人には聞き慣れない言葉だが、ジャガーの瞳孔の色彩を表現した独自のグラデーションカラーのことで、1970年代にオリエントが生み出した。
 これが多くの人気を集めたことを受け、ほかの時計メーカーも次々と導入。70年代の国産時計界ではグラデーションカラー文字盤が一大トレンドともなったほどである。

 縦にラインが浮かび上がるような独特なグラデーションは、まさにオリエントらしいカラーリングと言え、同時にこれが本作に味わいのあるレトロ感を与えている。

 

 

“カメラ”のディテールはいっそう凝った造形に

 続いてはそのディテールを仔細に見ていきたい。
 モデル名でも示しているとおり、その最大の特徴となるのがカメラのディテールを随所に盛り込んだオリジナリティーあふれるデザインだ。
 レンズの絞り羽をデザインした文字盤や、フィルム巻き上げノブと軍艦部を思わせるリューズ・リューズガードなど、特徴的なディテールをオリジンから継承しつつも、最新作ではその造形がより凝ったものにブラッシュアップされている。

【文字盤】

今作ではパワーリザーブ表示を排するなど、文字盤上の要素を減らすことで絞り羽のデザインが強調された。また針の高さポジションがオリジンよりも詰められており、全体的に引き締まった印象を高めている

 

【リューズガード】

リューズガードはケースと別体のものに変更。ネジ留めによって固定し、さらに仕上げを変えるなど作りは手が込んでいる。フィルムの巻き上げノブを思わせるリューズと合わせ、カメラ軍艦部の再現性はいっそう増した

 

【ケースバック】

今作で新たに盛り込まれたディテールが、ファインダーを思わせる裏ブタの小窓だ。ガラスはムーヴメントのテンプ部分にセットされており、動きも一緒に楽しめる

 

 

ヴンテージルックなデザインが渋い!

 個性の強いデザインであることは間違いないが、レトロフューチャーカメラを実際に着けてみると、決して悪目立ちしておらずシンプルなコーディネイトにもなじむ。
 シックなカラーリングというのもあるが、オリジンよりも文字盤の要素を減らしたことでギミック的な雰囲気が抑えられたためだろう。
 またケース径も40.8mmと手首に収まる程よいサイズ感。主張しすぎず、さりげなく遊び心を演出してくれる。

 新しいレトロフューチャーカメラの非凡なデザインは、まさに国産時計界の異端児たる本領が発揮された1本だが、決して熱心な時計愛好家のためだけの時計ではない。

 そのヴィンテージルックな風貌はいまのトレンドにも合うし、またユニークさだけでなく、しっかりとした実用性も備えている。オフタイムに気分を高めてくれる1本としていかがだろうか。

 

 

Variation

(左から)Ref.RN-AR0201B、RN-AR0202E、RN-AR0203Y。各5万8000円+税

共通スペック

・ケース素材:ステンレススチールケース(RN-AR0202E、RN-AR0203Yはグレー色メッキ)
・ケースサイズ:縦46.0mm / 横 40.8mm / 厚さ12.6mm
・ムーヴメント:自動巻き(CalF6S22)/40時間以上パワーリザーブ
・防水性:5気圧
・主な機能:秒針停止機能、ルミナスライト(RN-AR0202E、RN-AR0203Yは針のみ)、回転ベゼル、シースルーバック

 

【問い合わせ先】
オリエントお客様相談室 TEL:042-847-3380
https://www.orient-watch.jp/

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎水橋崇行

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