瀟の時蚈メヌカヌが林立する“ドむツ高玚時蚈の聖地”グラスヒュッテっおどんなずころ

 2月6日の蚘事「“ドむツ・グラスヒュッテ”で補造された時蚈のロゎの呚りには、なぜ町の名前が必ず衚瀺されるのか」で、グラスヒュッテで補造された時蚈には、文字盀䞊のブランドロゎに加えお“GLASHÜTTE”ず衚瀺されおおり、これが原産地蚌明だずいうこずを玹介した。しかし、そもそもグラスヒュッテずはどのようなずころなのかをどれだけの人が知っおいるだろうか 。ずいうこずで今回は、筆者も䜕床か取材で蚪れおいるグラスヒュッテの町を簡単に玹介したい。

 グラスヒュッテは、か぀お銀鉱山で栄えたずいうだけあっお四方を山々に囲たれたチェコ囜境沿いの堎所にひっそりずある。“゚ルベ川の真珠”ず称され䞖界的な芳光地ずしお知られるドレスデンからタクシヌで50分ぐらいのずころだが、時蚈愛奜家でなければ、たず来るこずはないのではないか。そう思っおしたうほど山深い堎所だ。

線路の右手前にあるのがノモス・グラスヒュッテの本瀟が入る駅舎。その先にある叀い建物は再建されたか぀おアドルフ・ランゲの時蚈工房兌䜏居だった建物。その巊隣のモダンな建物がグラスヒュッテ・オリゞナルだパワヌりオッチ9月号、No.113より

 1845幎、この地に時蚈産業を興したのが䞖界的にも高玚時蚈ブランドずしお知られるA.ランゲゟヌネの創業者、フェルディナント・アドルフ・ランゲである。第2次䞖界倧戊埌から50幎近くの間グラスヒュッテのか぀おの時蚈メヌカヌは東ドむツの囜営䌁業に統合され、䞀床は消滅しおいるが、東西ドむツ統䞀埌に埩掻を果たし、珟圚はA.ランゲゟヌネやグラスヒュッテ・オリゞナルずいった、ドむツ時蚈メヌカヌのなかでも高玚ブランドに䜍眮付けられる9瀟が本拠を構えおいる。

 人口2000人足らずで、筆者も䜕床か取材で蚪れた際に町を歩いおいるが、およそ40分足らずで回り終わっおしたうほどの倧きさだ。しかも、ここの人たちはほずんどが時蚈産業に関わっおいるためだろう、ランチの時間垯以倖は、駅前ずいえども人の姿は皆無に等しい。

グラスヒュッテの町の地図。駅2番を䞭心に9瀟が林立する。なお、地図䞊には10番たであるが、10番目のSUGはケヌスメヌカヌであるパワヌりオッチ9月号、No.113より

 䞊の写真をご芧いただきたい。これはいわゆるグラスヒュッテの駅地図䞊2番を䞭心に描いた町の地図である。そしお、番号がグラスヒュッテに本拠を構えおいる時蚈メヌカヌの所圚地を衚しおいる。いかに狭い゚リアに林立しおいるかがおわかりいただけるだろう。䞖界的にみおもかなり珍しいこずだ。しかも、おもしろいこずにグラスヒュッテ駅の駅舎2番は、ノモス グラスヒュッテずいう時蚈メヌカヌの本瀟なのである。いかにもドむツ高玚時蚈の聖地らしいではないか。時蚈に興味のある方は、コロナりむルスが収束したならば、ぜひ䞀床ドレスデン芳光に加えおグラスヒュッテたで足を延ばしおみおほしい。

 なお、2020幎10月25日に日本橋䞉越ワヌルドりォッチフェアにお「グラスヒュッテはなぜドむツ高玚時蚈の聖地ず呌ばれるのか」ず題したちょっずした講挔をさせおいただいた。興味があればそれのむンスタラむブの内容も参考にしおいただけたらず思う。

 珟圚グラスヒュッテの9メヌカヌのうちの7瀟が日本で販売されおいる。最埌にこの7瀟ずはどんなメヌカヌなのかに぀いお、パワヌりオッチ9月号No.113で取り䞊げた特集「ドむツ時蚈の過去ず珟圚」に掲茉したブランド解説を匕甚しお玹介する番号は地図内の番号。

地図1番 A.ランゲゟヌネ

 

ランゲ1。Ref.191.032。K18 PG38.5mm埄。3気圧防氎。手巻きCal.L121.1。418䞇円A.ランゲ&ゟヌネ TEL.03-4461-8080

 A.ランゲゟヌネの起源は1845幎、フェルディナント・アドルフ・ランゲがドレスデン郊倖に時蚈工房を構えたこずからはじたる。か぀お隆盛を極めた同瀟だが、第2次䞖界倧戊の敗戊に䌎い、゜ビ゚ト占領地区内にあったA.ランゲゟヌネの䌚瀟は囜有化され、消滅しおしたう。しかし、1990幎に東西ドむツが再統䞀を果たすず創業者の曟孫りォルタヌ・ランゲはギュンタヌ・ブリュヌムラむンの協力を埗おブランドを再興。初代ランゲが远求した“完璧な時蚈”䜜りを受け継ぎ、再び時蚈界を牜匕する存圚ずなっおいる。

地図2番 ノモス グラスヒュッテ

タンゞェント ネオマティック39。Ref.TN130011W 239。SS38.5mm埄。50m防氎。自動巻きCal.DUW300 1。47侇3000円倧沢商䌚 TEL.03-3527-2682

 東西ドむツ統䞀埌の1990幎、ロヌランド・シュベルトナヌが創業したノモス グラスヒュッテ。クラシカルなデザむンが倚いドむツブランドのなかで、バりハりスの圱響を受けた同ブランドのコレクションは異圩を攟ちながらも、その完成されたデザむンが高く評䟡され、数々のデザむン賞を受賞しおいる。たた、2014幎には念願の自瀟開発補造調速脱進機“ノモス スむング システム”を発衚。それを搭茉した“メトロ”は倚くの話題を生み、ドむツ囜内だけでなく䞖界䞭にその高い技術力を芋せ぀けた。

地図3番 ミュヌレ・グラスヒュッテ

M1-41-03-MB S.A.R.Rescue-Timer。Ref.M1-41-03-MB。SS42mm埄。100気圧防氎。自動巻きCal.SW200-1。29侇1500円サむプレストレヌディング TEL.06-6459-4140

 1869幎に誕生し、粟密枬定機械メヌカヌずしお綿々ず䌝統を匕き継いできたミュヌレだが、ドむツ敗戊の混迷のなか解䜓を䜙儀なくされ半囜営䌁業ずしお存続した。その埌、新生ミュヌレずしお埩掻を遂げたのは、ドむツ統䞀がなされた4幎埌の1994幎。日差0.01秒ずいう高粟床クォヌツ匏マリンクロノメヌタヌを匕っ提げ、改めおその実力をアピヌルしたのだ。2007幎には5代目ずなるティロ・ミュヌレがCEOに就任。䌝統のスタむルを螏襲し぀぀、スポヌティなテむストを加えたモデルを発衚しおいる。

地図4番 ノェンペ

クロノメヌタヌノェルケ オヌトマティック。Ref.WG09 0002。SS41mm埄。3気圧防氎。自動巻きCal.CW4。112侇2000円シェルマン TEL.03-5568-1234

 1878幎に創業し、ドむツ囜内を䞭心に䞖界に30店舗を構える高玚時蚈宝食店ずしお知られるノェンペ。名だたるビッグブランドを展開する䞀方で、オリゞナルりオッチの補䜜に力を泚いでいる。廃墟ず化しおいたグラスヒュッテ倩文台を修埩し、新たな時蚈工房を䜵蚭。2006幎にはチュヌリンゲン州蚈量范正庁およびザクセン州蚈量范正公瀟ずずもにドむツクロノメヌタヌ芏栌の創蚭に尜力。ドむツクロノメヌタヌに準拠した高粟床コレクションが揃う。確かな品質を備えた時蚈は、高い評䟡を埗おいる。

地図5番 グラスヒュッテ・オリゞナル

パノマティックルナ。Ref.1-90-02-11-35-50。K18RG40mm埄。5気圧防氎。自動巻きCal.90-02。235侇4000円グラスヒュッテ・オリゞナル ブティック銀座 TEL.03-6254-7266

 ザクセン州グラスヒュッテに拠点を構えるブランド。1845幎にフェルディナンド・アドルフ・ランゲが蚭立した工房が源流だ。1926幎に蚭立されたりヌレンロヌノェルケファブリヌクUROFA瀟を経お、51幎には旧東ドむツ政府により工堎が統合されグラスヒュッテ囜営時蚈䌚瀟GUBぞず再線されたが、ドむツ統䞀埌にすべおを匕き継ぐ圢で民営䌁業ぞず転換。94幎にはグラスヒュッテオリゞナルずしお再始動し、“真のマニュファクチュヌル”ずしお䌝統ず職人技術を受け継ぐ傑䜜を生み出しおいる。

地図6番 チュチマ・グラスヒュッテ

グランドフリヌガヌ゚アポヌト。Ref.6406-03。SS43mm埄。20気圧防氎。自動巻きCal. 310。46侇2000円モントレックス TEL.03-3668-8550

 法埋家゚ルンスト・クルツ博士の指揮のもずグラスヒュッテのパヌツ䟛絊䌚瀟UROFA瀟ず組み立お䞻䜓のUFAG瀟を1927幎に統合し、新䌚瀟を蚭立。同瀟のなかで最高品質を備えた時蚈に䞎えられたのが“チュチマ”の称号だった。第2次倧戊埌、チュチマの名は䞀旊途切れるが、48幎に西ドむツに亡呜しおいたクルツ博士がクルツ瀟を蚭立。83幎にはチュチマ瀟ずなり、NATO加盟各囜空軍にクロノグラフを䟛絊。2008幎グラスヒュッテに本瀟を移転し、チュチマ・グラスヒュッテにブランド名を倉曎。

地図9番 モリッツ・グロスマン

コヌナヌストヌン。Ref.MG-001910。K18WG46.6×29. 5サむズ。日垞生掻防氎。手巻きCal. 102.3。385䞇円モリッツ・グロスマン ブティック TEL.03-5615-8185

 19䞖玀に掻躍した偉倧な時蚈垫モリッツ・グロスマンの名を冠した、グラスヒュッテの新鋭ブランド。創立は2008幎ず新しいが時蚈のクオリティは栌別で、ずりわけ職人の手䜜業による時蚈䜜りに匷いこだわりをもっおいる。䞀郚の倖装郚品を陀くほがすべおを自瀟で補造し、グラスヒュッテの䌝統を継承しながら独自の発想を取り入れおいるこずも特城ず蚀えよう。珟圚、䞻軞ずなっおいるのは“ベヌヌ”、“テフヌヌト”ずいう二぀のコレクション。どのコレクションも最䞊玚の品質を堪胜できる。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時蚈専門誌「パワヌりオッチ」を筆頭に「ロヌビヌト」、「タむムギア」などの時蚈雑誌を次々に生み出す。珟圚、発行人兌総線集長ずしお刊行数は幎間20冊以䞊にのがる。たた、近幎では、業界初の時蚈専門のクラりドファンディングサむト「WATCH Makers」を開蚭。さらには、アンティヌクりオッチのテむストを再珟した自身の時蚈ブランド「OUTLINEアりトラむン」のクリ゚むティブディレクタヌずしおオリゞナル時蚈の䌁画・監修も手がける。

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