30万円台から狙える “手巻きオイスターデイト”の魅力とは|【ロレックス】通信 No.111

 今回のロレックス通信は、久しぶりにアンティークロレックスを取り上げたいと思う。

 いまやデイトジャストなどのステンレスのベーシックなモデルであっても、現行モデルのプレミアム価格化に伴って、以前は30万円前後で流通していたアンティークも、いまではステンレスモデルが50万円前後になるなど、現行モデルの高騰に引っ張られるかのように実勢価格が上がってしまった。

 これはデイトジャストだけでなくオイスターペーペチュアル デイトなど自動巻きモデル全般に言えることだ。しかし、そんなアンティークロレックスながら、何とか30万円台の予算で購入できるモデルがある。それがカレンダー機構を備えた手巻きムーヴメントを搭載するオイスターデイトだ。

1984年製の手巻きオイスターデイト、Ref.6694。34mm径と小振りで自動巻きローターがないぶん薄いため、とても着けやすい

 さてこのオイスターデイト、魅力は大きく二つある。ひとつはこの手巻きムーヴメントがとても優秀だということだ。この1200系は、そもそもロレックスの自動巻きのベースムーヴメントとして開発された機械の最終形といわれている。そのため完成度は極めて高い。

 製造期間は50〜80年代後半までと非常に長く40年近くも生産されている。実のところロレックスの自動巻きムーヴメントは、自動巻き用として専用設計され77年に登場する3000番台の機械が開発されるまでは、ずっとこの手巻きムーヴメントをベースに開発されてきた。

写真は二つともにRef.6694である。右が66年製で左は84年製と18年もの開きがある。そのためムーヴメントは前者が毎時1万8000振動のCal.1215。左が1万9800振動のCal.1225となる

 そして、その最終形が1200系ということからもいかに信頼性が高かったかがわかる。しかも、構造がシンプルなために壊れにくく、アンティークとはいえ、初心者であっても比較的にリスクは少ない。

 この1200系だが、50年に最初に作られたのはCal.1215(デイトなしは1210)。その後67年頃に改良が加えられCal.1225(デイトなしは1220)に変更された。最大の違いは毎時1万8000振動から1万9800振動に振動数が高められた点だ。もちろん、振動数が高いほうが精度は安定する。そのため購入の際はこの点も考慮するといいだろう。

 そして二つめは、自動巻きに比べて薄くて軽いためとても着けやすいということだ。サイズは34mmと小振りのためスーツスタイルにも合わせやすい。特に革ベルトタイプだと、スポーティなブレスタイプとは趣がだいぶ異なり、ぐっと大人っぽく落ち着いた印象に変わる。

オイスターデイトには34mm径のメンズサイズ、Ref.6694(左)と30mm径のボーイズサイズがRef.6494(右)とRef.6466の2種類がある。1960年代前半より以前の個体だとぐっと古典的雰囲気が強まる。ともにCal.1215

 加えて生産期間も50年代から80年代までとかなりのロングセラーだったこともあり、年代によっては上の写真のように、くさび形のインデックスにアルファ針を採用した、古典的な味わいの強いものから、もうひとつ上の写真のようにシンプルなバーインデックスにペンシル形針という現代に近いベーシックなものまで、製造年代によってはデザインや雰囲気も大きく変わるため、購入に当たってはこの点をぜひ見比べて探したいところだ。

 なお、日付け表示にはクイックチェンジ機構が付いていないため、日付け合わせが面倒だという人は、日付のない手巻きオイスターがいいかもしれない。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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