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「やっぱりロレックスはダントツだった」世界最大の高級時計ECサイトが愛好家の購入動向の調査結果を発表!

Chrono24のサイトとアプリにあるウォッチコレクション機能に時計を登録しておけば、市場相場などをスマホでいつでもチェックできる

ドイツに本拠を構え、毎月1000万人以上がサイトを訪れるという世界最大級の高級時計ECサイト“Chrono24”は、この度、時計愛好家の購入動向調査についてのレポートを発表した。

これは、同サイトおよびアプリ内に無料で利用できる「ウォッチコレクション」機能に収録されたユーザーの膨大な時計データを活用。そこから得られた情報を基に集計したものである。

ちなみに「ウォッチコレクション」とはChrono24を通して時計を購入したかどうかにかかわらず、自身が所有する時計の写真と商品データを簡単にサイト内へと収録できるだけでなく、市場相場を確認したり、価値の増減を追跡したりと、いつでもどこでもチェックできるというものだ。

現在世界120カ国以上、130万人以上の時計愛好家が利用し、同サイト内で追跡されている時計の総額は466億ユーロ(497億ドル)以上で、世界のすべての時計の推定価値7000億ユーロ(7480億ドル)の約7%を占めているという。

そんな膨大なデータを基に今回は、最初に買った1本目の時計から20本目として買った時計まで、何本目にどのブランドを買ったかを集計。購入本数を重ねることに、どのようにターゲットとするブランドが変わっていくのか考察したものだ。

最初に購入したブランドで最も多かったのは“ロレックス”がダントツ

まず、最初の1本目に購入したブランドとして名前が上がった上位4ブランドは、ロレックス、タグ・ホイヤー、ティソ、そしてブライトリングだった。なかでもロレックスがダントツで34%。かなりの人がロレックスからコレクションを始めており、“ファーストウォッチ”として憧れが強いブランドであることをあらためて示したと言える。

ちなみにタグ・ホイヤーは6%、ブライトリングは4.6%、ティソ2.5%だった。いまでは100万円近くまで高額になってしまったが、10年以上前だとティソではなくオメガだったのかもしれない。また、これが日本市場に限定するとあくまで筆者の予測だがティソではなくハミルトンになるのではないか。

また、最初の1本目の数字として筆者が注目したのはパテック フィリップとオーデマ ピゲである。資料では「ファーストウオッチとしてパテック フィリップやオーデマ ピゲを選ぶコレクターはわずか2%です」と記述されていたが、筆者からすると2%という数字に逆に驚かされた。こんなに多いのかと。

ここ4〜5年でブランド価値をさらに押し上げることに成功し、時計好きというよりも、もはや富裕層が最初に選ぶのにふさわしいブランドとして、その価値が広く認知されたということなのだろう。ちなみにこの両者とともに3大雲上ブランドと呼ばれる“ヴァシュロン・コンスタンタン”は0.3%という結果だった。

最後にロレックスについてだが、最初に入手する時計から20本目の時計として購入する時計に至るまで、何本目だろうがロレックスを選ぶ確立は一貫して34~38%と極めて高い数値が示されている。

エントリーモデルからハイエンドモデルまでラインナップが明確かつ充実しているため選択肢が豊富で狙いやすいうえ、何十年経っても基本デザインが変わらないことからコレクション性が高い。そのためほかのブランドに比べて複数所有する傾向もかなり強い。この数字はまさにそれを裏付ける結果といえるだろう。

【レポート概要】
●データ分析期間:2018年以降のウォッチコレクションデータ ※2018年以前に購入された時計のデータも含まれます
●データ保有機関:Chrono24
●データベース:Chrono24ウォッチコレクションユーザーの匿名化されたデータベース
●対象:130万以上のウォッチコレクションに保存された、合計370万本以上の時計を対象として分析

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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