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【Chrono 24が販売数ランキングを発表】2022年は世界を驚かせた、あのブランドがなんとTop 5にランクイン!

 ドイツ・カールスルーエに本拠を構える、高級腕時計のECサイト“Chrono24(クロノ24)”が、昨年に引き続き今年も22年度の年間総合&国別人気ランキングを発表した。

 Chrono24は、新品だけでなく中古やアンティークまで何と50万点が揃い、月間900万人以上もの世界中のユーザーが利用するなど、高級時計のマーケットプレイスとしては世界最大級。つまりこの結果は、この膨大なデータに基づくものとなる。

 そして今回発表されたのは以下の6種類だ。
1、時計ブランド人気ランキング
2、購入モデルランキング(世界)
3、購入モデルランキング(日本)
4、6カ国別人気ブランドランキング
5、6カ国別人気モデルランキング
6、文字盤の人気カラーの傾向

 ちなみに、このランキングの集計は売上ではなく販売数。ここではこの中から1と3のランキングに着目してみたいと思う。

【時計ブランド人気ランキング】

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 人気ブランドランキングでやはり特筆すべきは5位に安価な時計を展開しているスウォッチがいきなりランクインしている点だ。もちろんこの結果を牽引したのは、スウォッチとオメガとのコラボ企画で誕生した“ムーンスウォッチ”である。オメガの代名詞であるムーンウオッチこと“スピードマスター”そっくりの新作クォーツモデルをスウォッチが3万円台でリリースしたからだ。

 日本でも発売日に購入希望者がブティックに殺到し、警察が出動しテレビニュースでも報道されるなど、混乱の末に一時販売中止となったことは記憶に新しい(現在は再開)。もちろん販売売上ではなく販売数のランキングだからということはあるが、高級時計のECサイトでこのシェア率はかなりインパクトのある結果と言えるだろう。

 一方の1〜4位は昨年と変わらず。日本の誇るセイコーも3位と人気はいまだ根強い。ただ、ロレックスは実勢価格の乱高下が響いたのだろう、シェア率を若干だが下げている。加えてもうひとつ注目したいのは、昨年の21年ランキングを紹介する筆者の記事でも同じことを書いたが、4位のブライトリングである。いまの日本でここまでの順位はかなり難しい。その意味では、グローバルの視点だとこうも違うのかと驚かされる結果だ。

【購入モデルランキング(日本)】

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 このランキングデータはChrono 24を利用して日本人が購入したのはどんなモデルなのかを示したものである。最も多かったのは21年に引き続きロレックスのデイトナだった。ただそれ以外は、ロレックスのエクスプローラーとデイデイトに代わってパテック フィリップのカラトラバとロレックスのGMTマスター II がランクインしたぐらいで銘柄自体はほぼ同じものの、順位はだいぶ入れ替わった。

 なかでも21年10月から22年春頃まで異常な高騰をみせ、その後急激に下落したオーデマ ピゲのロイヤル・オーク、パテック フィリップのノーチラス、そしてロレックスのオイスターパーペチュアルといった、いわゆる海外でトロフィーウオッチと呼ばれるモデルが順位を落とし、代わりに定番となるロレックスのサブマリーナーやデイトジャストが上位を占めるなど、不安定だった22年の2次流通市場を表す結果となっているのがわかる。

 おもしろいことに、これを日本市場だけでなく世界で見るとランクインしている銘柄はまったく違う。日本人利用者には、どちらかというとディープな時計愛好家が多いということが両ランキングを見比べると明らかだ。ぜひそちらもチェックしてもらいたい。

 さて、Chrono24については、筆者も1989年から数年間だけ販売されたIWCの「THE 8541」を購入。その体験を当サイトでレポートしている(関連記事参照)。どのように購入するのか気になる人はそちらも読んでいただけたらと思う。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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