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Chrono24で時計を買ってわかった“良い点と注意点”(前編)|月刊900万人。なぜ多くの支持を集めるのか?

 Chrono24(クロノ24)という高級腕時計のECサイトをご存じだろうか。ドイツに本拠を構え、販売されている商品は、新品から中古、そしてアンティークまでと幅広く世界中の販売業者が出品している。その数約50万点。そして驚くのがその規模だ。何と月間900万人以上ものユーザーが利用するという、まさに世界最大級の高級時計のマーケットプレイスである。

 そしていまとなっては、日本の並行輸入店も多くが参加するようになるなど、もはや二次流通市場においては販売業者だけでなく購入ユーザーにとっても無視できない存在となってきた感が強い。

商品数約50万点、月刊利用者数900万人とまさに腕時計専門のECサイトとしては世界最大級

 筆者もそんなChrono24を一度利用してみたいと思っていた一人なのである。実は現行品よりも旧型の時計が好きな筆者。どちらかというと日本であまり注目されてないものだったりするため日本市場になかったりする。そんなときにChrono24のサイトを見ていると出品されていたりする。とても気になっていたというわけだ。ということで今回実際に利用してかねてより探していたIWCを購入。その実体験レポートを前編と後編に分けて今日と来週土曜日(4月2日)にお届けしたいと思う。

 さて、Chrono24のすごいところは先にも触れたが900万人以上ものユーザーが毎月利用しているという点である。扱い品目が高級時計でしかもオンライン上のためどのような商品なのか実際に確認することはできない。にもかかわらずなぜこれほどまでに世界中から支持を集めるのか。おそらくその背景にあるのは50万点もの豊富な商品量もさることながら、1番は“買い手保護制度”(図表参照)を設けている点なのだと思う。

時計専門誌「パワーウオッチ」3月号(第122号)より

 なかでもその最大のポイントは大きく二つだ。
 ひとつ目は“エスクローサービスをとおした支払い”である。これは購入代金を、販売業者やChrono24の口座に振り込むのではなく、第三者機関である信託銀行の口座に一旦振り込まれ、そこに一定期間預けられるという仕組みだ。つまり物品などの売買取引の安全を担保する“取引保全(エスクローサービス)”である。保全期間は商品が届いてから14日間だ。

 そして二つ目は、“返品返金保証”である。驚くことにこれがいかなる理由であっても返品できるというものなのである。例えば「似合わなかった」や「気が変わった」など自己都合であっても未使用かつ14日以内であれば返品でき、もちろん代金も返金される。現物を見ないで購入するユーザーにとってはありがたい話だが、販売業者にとってだいぶ返品リスクが高まるため成り立つのだろうかと逆に心配になるぐらいの内容だと思う。

 実はこの買い手保護制度について、この点も含めてChrono24のCEOであるティム・シュトラッケ氏へリモートインタビューを行い、「【Chrono24は信頼できるのか?】総編集長・菊地吉正がCEOティム氏に直接聞いた!」という見出しで2020年11月14日に掲載している。さらに詳しく知りたい方は、ぜひそちらも参考にしてもらえればと思う。

オールドムーヴメントを搭載した1991年製のIWCを購入

ケースバックはヒンジが付いており裏ブタをパカっと開けるとペラトン式ムーヴメントが見られるという仕組みだ。ご覧のようにCal.8541は再仕上げが施され赤金メッキに変更されている

 まず今回購入したIWCについて触れておきたい。筆者が購入したのは1989年から数年間だけ販売されたといわれているIWCの“THE 8541(Ref.1850)”というモデルである。おそらくは時計愛好家でもご存じの方はかなり限られるのかもしれない。

 ちなみにモデル名の8541とは、IWCが1950年代に開発した傑作ムーヴメントのひとつに挙げられるペラトン式自動巻きのCal.85。それの最終形にして完成形ともいえる64年初出のCal.8541のことである。つまり、当時のオールドムーヴメントが搭載されているというわけだ。

34.5mm径と小振りなため物足りないという方も多いかもしれいが、手首が細い筆者の場合はこのぐらいのサイズ感がちょうどいい

 ケースは34.5mm径の小振りな18金イエローゴールド製。しっとりとした質感の文字盤にゴールドでしかも細身の書体を使ったアプライドのローマンインデックスを合わせたクラシックなデザインのドレスウオッチである。

 今回、目安にした予算は50万円。探し始めた当初は1本も出品されていなかったものの、1カ月ほど経った頃に1本の出品が見つかった。しかも写真や説明文を読む限りではかなり状態はいい。加えてオリジナルのBOXや保証書などの関係書類もすべて揃ったものだった。ただ、日本円で65万円と予算オーバーだったため決めかねていて、すぐには売れないだろうとタカを括っていたのが甘かった。翌朝にはもう「購入できない商品」と表示されていた。つまりすでに売約済みとなってしまっていたというわけである。

 ということで、来週の後編ではこのような失敗をしないためのポイントなどを含めて具体的に取り上げる。

【後編】Chrono24の“良い点と注意点”!|ツボは購入意思を早めに示すこと!?

Chrono24

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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