10万円台から狙えるアメリカンウオッチ「角金時計」の魅力!

 アンティークウオッチの愛好家の間でよく“角金時計”とこう呼ばれるモデルがあることをご存じだろうか。読んで字のごとく、18金ゴールド素材を使った角形時計のことだろうと、普通はまずそう思われるのではないか。

 もちろんスクエアかレクタンギュラーの角形ケースを採用した時計であることには違いないのだが、アンティークウオッチでいう角金時計の場合は、アメリカ製(以降アメリカンウオッチ)で、しかもケースは金ではなくケースの金属に金の薄箔を熱圧着する“金張り”という技法で全体をゴールドにしているものを指す。つまり素材が金そのモノであったり、スイス製であったりすると角金時計とは言わないようである。もちろん、これはアンティークウオッチの世界だけのこと。でもなぜここまで限定されるようになったのかはわからない。

グリュエンの角金時計、カーベックス。ドライバーウオッチとして、運転中ハンドルを持ったまま時刻を確認できるようケース自体が湾曲している。1940年代製。K10GF(20×25mmサイズ)。手巻き(Cal. 440、17石)

 角金時計は、主に1920〜50年代に製造された。同時代に花開いたアールデコを取り入れたデザインが主流となっていたため特に30年代までの個体はケースの造形も様々で文字盤のデザインにもかなり個性的なものが多く、なかなか面白い。ファッションのちょっとしたアクセサリー的に楽しみたいという人にはおすすめだ。

 当時のアメリカンウオッチの中で角金時計でよく知られる代表的なブランドを挙げると、グリュエン、ハミルトン、エルジン、ブローバ、ウオルサムである。そして特におすすめなのはハミルトン、グリュエン。ハミルトンは手巻きのムーヴメントが優秀。とりわけ角形ムーヴメントのCal.980と982は傑作として知られる。一方のグリュエンは、ここに取り上げたカーベックスのように、特徴的でアメリカっぽい造形の物が多くケースで遊べるのだ。

【画像】ハミルトン、エルジン、ブローバの“角金時計”

裏蓋を開けた写真。着けても手首にフィットするよう可動式ラグを備えているなど考えられている

 時代を感じさせる魅力満載の角金時計。ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。なお、もちろん角金時計だけに限ったことではないが、やはりだいぶ古いものだけに防水性はないため日常使いは難しい。ただ、水(汗も)や衝撃などに気をつければ、十分楽しめるはずだ。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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