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【ソーラークォーツ時計のクロノグラフが7万円台】人気のパンダダイアルを採用したセイコー プロスペックス スピードタイマーを実機レビュー

 国産クロノグラフの系譜を辿っていくと、やはりセイコーが最重要ブランドであることが浮かび上がってくる。そもそも国産初のクロノグラフが1964年のセイコー クラウン クロノグラフなのだ。当時の高級機種だったクラウンをワンプッシュクロノグラフにブラッシュアップしたモデルで、同年開催された東京オリンピックの公式タイムキーパーだったセイコーが威信を賭けて開発した名機だ。さらに69年には世界初(諸説あり)の自動巻きクロノグラフ、1969スピードタイマーをリリース。こちらはスタートとストップ時に針飛びを起こさないように垂直クラッチ機構を採用し、コラムホイールを採用したなかなか豪華な仕様のモデルだった。“スピードタイマー”はその後のセイコーを代表するクロノグラフとしてその名を高めていったのだが、今回のプロスペックス スピードタイマーにあえてその名前を冠したのは、セイコーの自信の表れだと感じさせる。正確で実用性の高いプロダクトを旨とするセイコーだけに、国産時計ファンからの期待度も高いだろう。

セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ
■Ref.SBDL085。SS(39mm径/13.3mm厚)。10気圧防水。クォーツ(Cal.V192、ソーラー)。7万4800円

 

 ダイアルはホワイトをベースにブラックのインダイアルを採用。いわゆる人気のパンダダイアルを採用した三つ目仕様で、精悍かつスポーティブな印象だ。タキメーター付きのベゼルはブラックで、これまた締まった雰囲気に仕上がっている。ケースサイズはオリジナルのスピードタイマーを継承して39mm径に抑えられているが、現行のクロノグラフモデルはほとんどが40mmを超えているなか、こうした小体なクロノグラフは珍しい。ボリュームのあるプッシュボタンも含めてスマートにデザインされているし、重さも161gに抑えられているので、細身の腕に合わせても装着感は良好だ。クロノグラフとしてはなかなか市場で見かけなくなってしまったこのサイズ感を歓迎するユーザーは多いのではないだろうか。

 ダイアル表面には光の反射を抑える砂目調のパターンが入っており、高級感を高めると同時に視認性も高めている。インダイアル部分はしっかりと段差が付けられており、無反射コートされたサファイヤ風防はエッジをカーブさせて立体感をもたせている。ケースの研磨はポリッシュとミラーを面によって使い分けており、ステンレスの質感をうまく引き立てている。ブレスレットの質感もこの価格帯としては悪くない。

 搭載されているムーヴメントは、セイコーのソーラー式クロノグラフV192。フル充電時で6カ月駆動するというタフな機械で、電池交換の心配がないのはポイント高い。耐磁設計になっているため、PCを多用するデスクワークのお供としても不安はないし、防水性能も10気圧とデイリーユースには十分だ。「機械式にこだわらなかったのか?」という意見もあるかもしれないが、スマートで高級感あるルックスのクロノグラフをリーズナブルな価格で製品化するという目的なら、ソーラークォーツを採用するという選択肢は正解だと思う。

 実用性が高いクロノグラフで、オンにもオフにも使えそうなシャープなルックスをもちつつ、クォーツムーヴメントを採用したことで価格は7万円台に抑えられている。特にフレッシュマンには手を伸ばしやすいだろうし、実際にオススメできる時計だと思う。タフを信条とするプロスペックスのラインに、こうしたレガシーを感じさせるモデルが加わるのはかなり興味深いし、時計ファンの裾野を広げるモデルになりそうだ。

 

【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/prospex/special/speedtimer/

 

構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎編集部

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