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【気になるちょい古時計|no.10】 50周年でリリースされたスピードマスター“ブラウン文字盤”

 筆者が刊行する高級腕時計の専門誌「パワーウオッチ」。そのバックナンバーを見ていて、こんなオメガのスピードマスターを見つけた。

 このスピードマスター、誕生50周年を迎えた2007年にラインナップに加わったブラウン文字盤仕様である。だからと言って限定モデルというわけではなく、レギュラーモデルとして13年(たぶん)まで製造されたようだ。

 ただ、風防はドーム形のプラッスチック風防ではなくサファイアクリスタル風防。裏ブタは同じサファイアクリスタルのシースルーバック仕様だ。そのため手巻きのCal.1863の動きを見ることができる。

 自動巻きと違いローターが無いため、輪列や仕上げの美しさなど細部まで眺められるというのは確かに魅力だが、せっかく経年変化でブラウンに退色した通称トロピカル文字盤風でもあるため、ドーム形プラ風防で古典的な雰囲気をより強めてもよかったような気もする。

 ちなみに、ここに取り上げたブレスレットモデルのほかに革ベルトタイプもラインナップしている。気になる現在のUSEDの実勢価格は70万から80万円台。残念なことにここ2年ぐらいでだいぶ上がった感じだ。

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オメガ|スピードマスター プロフェッショナル ブラウンダイアル
■商品データ
製造期間:2007〜2013年
型番: Ref.311.30.42.30.13.001
素材:ステンレススチール
ケースサイズ:42mm
防水性:5気圧防水
駆動方式:手巻き(Cal.1863)
税抜き参考定価:ブレス50万円、革ベルト49万円(2013年当時)

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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