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12月だというのに、どうしたデイトナ!|実勢価格定点チェック|菊地吉正の【ロレックス通信 No.230】

前回、新作“パーペチュアル1908”の入荷の一報を受けて急遽その実機レポート(関連記事参照)を取り上げたため、12月度の実勢価格定点チェックは1週遅れだが今回お届けする。

まずは記事の2ページめに掲載した月間ロレックス相場一覧をご覧いただきたい。ここ最近の急激な円高が影響してか、驚くことに12月の年末商戦時期というのに軒並み値を下げているという状況だ。

30年近く並行輸入市場を見てきたが、筆者の記憶ではこの時期に実勢価格が下がったのはリーマンショックが起こった2008年12月以来のような気がする。

そんななか今回特に注目したいのはデイトナの動きだ。ちょうど並行輸入市場でも新型が流通し始めたというタイミングだったため、モデルチェンジ後の流れからするとこれまでは生産終了となる旧型はどんどん相場が上がり、新型の実勢価格を超えるというのが通例だった。

しかし今回は、新型の流通直後も動きがなく、さらに1カ月が経ったいまでは黒文字盤については16万円。リストにはないが白文字盤で2万円ほど下がっている。

おそらくは新型の現在の実勢価格が影響しているのだろう。黒文字盤の旧型435万円に対して新型480万円。一方の白文字盤は532万円に対して540万円と、まだ流通が始まって1カ月ぐらいだというのに新型の実勢価格が旧型に近づいているのだ。それなりにタマ数もあるのだろう。

価格的なハードルがなくなると、さすがに消費者心理としては、どうせ買うならデザインは変わらず性能や作りは格段にパワーアップしている新型を迷わず選択するというのは当然の流れ。そう考えるとデイトナのこの状況にも「なるほど」と感じてしまう。

かつての「生産終了=高騰」というロレックス神話は、世界的な投機熱によって異常に上がりすぎたいま、もう現実的ではないのかもしれない。

>>>次ページで「主要11モデルの月間ロレックス相場」(12月22日更新)

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