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【クォーツ時計にも必要!?思わぬトラブルも】オーバーホール、サボってませんか?〜腕時計の基礎知識〜

ゼンマイを動力に、数多くの小さな金属パーツが集まり複雑に絡み合いながら時を刻む機械式時計。歯車の軸をはじめ、必要なところに油を注すことで金属パーツどうしの摩耗を軽減するように設計されている。修理技術者によると、この油は数年放置すると劣化または乾燥し、それが原因で部品が摩耗して精度の乱れや動作不良が生じるという。そのため定期的に腕時計を分解し、ムーヴメントやケースの洗浄、ムーヴメントのパーツへの注油、組み立て、調整後の精度チェックまでを行う“オーバーホール”が必要だ。

オーバーホールせずに放っておくと後に重大な故障につながり、修理代が膨らむことも

【放っておくと大変なことに!?要注意のトラブル例とは?】

オーバーホールをせずに使用を続けると部品が破損する恐れがあるだけでなく、水が時計内部に入らないようにするためのパッキンの劣化による防水能力の低下などの重大な故障につながりかねない。これらの不具合を事前に発見するためにも、定期的にオーバーホールに出すのが良いとされている。


ところで、精密機器である機械式時計には定期的なオーバーホールが必要だということはよく知られているが、実はクォーツ時計にも定期的なオーバーホールが必要なのをご存じだろうか。クォーツ時計にはオーバーホールを行う必要がないと誤解される要因のひとつに、機械式ほど構造が複雑ではないという点が挙げられるだろう。実際、クォーツムーヴメントは、機械式に比べて遥かに部品点数が少なく、そして小さいトルクで効率良く輪列を動かしているために歯車などに掛かる負荷も少ない。このことからオーバーホールを要するまでの間隔が長く、なかには10年以上問題なく動き続けるというケースが少なくない。また、比較的安価であり、ファッションとして楽しむという側面もあるため、購入時にもオーバーホールについての説明が十分なされないということも少なからずあるようだ。実際、電池交換さえすれば動き続けると思っていた人は意外と多いのではないだろうか。

実際に修理技術者に聞くと、オーバーホールは機械式のものと考えている人が結構いるという。ただクォーツ時計も歯車などを有する精密機器。ムーヴメントに油を注しているため油は劣化し、パッキンも耐久性が低下するため、クォーツ時計であっても必要だとのこと。ほかにもオーバーホールを怠ると、時刻が遅れたり、クォーツ時計特有の問題だと電池寿命が短くなってしまうそうだ。こうしたトラブルは機械式同様、分解、洗浄、組み立て、調整という一連のオーバーホール作業を行うことで、調子を取り戻すことができるのだ。なおオーバーホールのスパンとしては7〜8年(機械式の場合は3〜5年とされる)といわれ、その基本料金は3針モデルの場合、1万円程度(クロノグラフは2万円程度)である。

クォーツ時計の動力部はモーターであるが、針は歯車で動かすため、やはり定期的な洗浄、調整が必要となる

オーバーホールに関連して、もうひとつ注意してもらいたいのが、電池切れの状態で放置することだ。この状態のまま放置すると、電池から液が漏れ出す“液漏れ”が起こる可能性がある。そうなると最悪の場合はムーヴメントの交換が必要(交換用ムーヴメントがない場合もある)となり、思わぬ高額出費となることもあるため注意したい。長く保管しておく際などは、近くの修理店などで電池を外してもらうといいだろう。

機械式であってもクォーツウオッチであっても、長く使いたいのであれば定期的なオーバーホールは必須なのである。


 

文◎Watch LIFE NEWS編集部

 

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