OUTLINEニュース クラウドファンディング 小スライド 編集部セレクション 連載記事 @kikuchiのいまどきの時計考

完売続出【NASA宇宙史に残る伝説のメッシュブレス】標準装備したアメリカ・フォースナー社とのコラボ時計最新作|OUTLINEニュース no.139

アウトラインの最新作「2レジスタークロノ・シリーズ II 」に標準装備されているメッシュブレスが今回のコラボで実現したフォースナーのコムフィットである

 

現在、クラウドファンディング「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」において早割5万6100円で先行予約受け付けを実施しているアウトラインの最新作“2レジスタークロノ・シリーズ II ”。おかげさまでまだスタートして2週間経ったばかりというのにすでに多くのお申し込みをいただき完売したものも多い。この場を借りて感謝申し上げたい。

そんな“シリーズ II ”最大の売りはアメリカのブレスレットメーカー、フォースナー社とアウトラインとのコラボレーションで標準装備が実現した同社のシンボル“コムフィットブレス”だ。今回のOUTLINEニュースでは、知る人ぞ知るコムフィットについて詳しく解説したいと思う。

フォースナーとは、1920年頃にアメリカで創業したアクセサリーなどのチェーンメーカーである。その代表作が39年に開発した長さ調整が自在にできる“コムフィット”だ。

コムフィットを裏表で撮影した写真。上が表側、したが裏側(手首側)を撮影したもの。2枚のブレスパーツが重なった状態で、スライドすることでサイズ調整を自在に行う

そんなコムフィットが世界的に知られるようになったのがNASAである。ただフォースナーは63年頃に同じくアメリカのブレスレットメーカー、ジャコビー・ベンダー社に買収されてしまったことから、注目された当時はコムフィットではなくJBチャンピオン名で広く知れわたったという背景がある。

さて、このJBチャンピオンことコムフィットだが、どうNASAと関係しているのかというと、オメガがまだNASAの公式時計になる以前に一部の宇宙飛行士がブローバやオメガなどの時計を自前で用意したことは有名な話だが、当時それらの時計のブレスレットとして使われたのがコムフィットだったというわけだ。

下のリンクを貼っている画像ギャラリーを見てもらうとわかるが、NASAの記録写真アーカイブには実際にコムフィットを着けている当時の宇宙飛行士及び地上スタッフの写真がこれ以外にも数多く確認できる。

【画像】コムフィットを装着した当時のNASA宇宙飛行士の写真をチェック!

ではなぜ宇宙飛行士はコムフィットを活用したのだろうか。フォースナーの公式WEBサイトにはこのように記述されている。
「工具を使わずに簡単にバンドのサイズ変更ができ、緊急時に簡単に取り外せるなどのコムフィットの構造的なメリットが認められて選ばれた」

1963年5月に打ち上げられたマーキュリー・アトラス9号の飛行士「ゴードン・クーパー」が右手首に着けているのはコムフィットを装着したブローバのアキュトロン・アストロノート(写真◎NASA)

つまり二つの理由を挙げている。ひとつは長さ調整が工具なしでも自在にできてしまうという構造上の特徴だ。そのため手首はもちろんだがミッションの際に宇宙服の上からでも着けられるという汎用性の高さが評価されたというわけだ。

二つ目は「緊急時に簡単に取り外せる」こと。例えば船外活動などにおいて時計が何かに引っかかってしまった際に、堅牢なブレスレットだと時間がかかってしまう懸念があった。その点、コムフィットはメッシュタイプということもあって、最悪は引きちぎって外すこともできるという点も大きな利点だったようだ。

そしてNASA 有人宇宙計画では1962年10月のマーキュリー・アトラス8号と63年5月のマーキュリー・アトラス9号において宇宙服の上から実際に着用された。ちなみにマーキュリー・アトラス8号の宇宙飛行士が着けていたオメガ、スピードマスター CK2998にはこのコムフィットが装着されていたようで、いわば伝説のメッシュブレスとい言われるゆえんである(オフィシャルWEBサイトより)。

このエンドピースは伸縮するのも特徴のひとつ。今回採用したコムフィットの場合は19〜22mmのラグ幅に対応している

現在、フォースナー社は再興され、アメリカ・マサチューセッツに本拠を構え、様々なヴィンテージブレスを復刻して販売している。もちろんコムフィットも忠実に復刻されて一般に販売されていることから、今回のようなアウトラインとのコラボレーションを実現することができた。

ちなみに日本においては、どちらかというとアンティークの時計愛好家など知るひとぞ知る、そんな存在ではあるが、クロノワールドより1万9800円で販売されているため、気になる人はチェックしてみてほしい。

さて、このコムフィットだが、歴史があって古典的な作りながら、時計本体に取り付ける部分のエンドピースは伸縮する構造(上の写真)になっており、今回採用したタイプは19〜22mmまでのラグ幅に対応するなど汎用性も高い。そのためブレスレット単体でも色々と付け換えて楽しむこともできるという特徴をもつ。

【YouTubeのショート動画】モノトーンでシックな雰囲気にメッシュブレスの光沢感がほどよく輝いて、とてもスタイリッシュです!

加えてメッシュタイプということもあって高級感があってことのほかオシャレに見える。この点もこのブレスの大きな魅力といえるだろう。さらに時計自体もケース径37.6mm(ベゼル径39.6mm)に厚さも約9.9mmと細身の日本人の手首にもすんなり納まるベストなサイズのため着用感もバツグン。ぜひコレクションに加えて楽しんでいただけたらうれしい。なお、冒頭でも触れたように現在ウオッチメーカーズでは5万6100円の特別価格で先行予約受け付け中だ。このお得なチャンスをお見逃しなく!

クラウドファンディング[WATCH Makers]
終了しました

【画像】コムフィットを装着した当時のNASA宇宙飛行士の写真をチェック!

【アウトライン 2レジスタークロノ・シリーズ II 】

・型番:(左)Ref.YK20241-1BBIV、(中)Ref.YK20241-2MBBK、(右)Ref.YK20241-3BBBK
・素材:素材:(ケース)316Lステンレススチール(ネジ込み式リューズ)
・サイズ:ケース径37.6mm(ベゼル径39.6mm)、ケース厚9.9mm(ドーム風防含む12.6mm)
・防水性:3気圧防水(日常生活防水)
・駆動方式:クォーツ(セイコー製Cal.VK64)
・機能:クロノグラフ(9時位置に60分積算計)、24時間計(3時位置)
・初回生産本数:200本(YK20241-1BBIV)、100本(YK20241-2MBBK)、70本(YK20241-3BBBK)
・希望小売価格:各66,000円(組み立て:日本)
・保証期間:1年間

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

次のページへ >

-OUTLINEニュース, クラウドファンディング, 小スライド, 編集部セレクション, 連載記事, @kikuchiのいまどきの時計考
-, , ,