1956年に登場したミルガウスのファーストモデル、Ref.6541は磁力をイメージさせる独創的な形状の秒針が採用されていた
現地時間の明日4月8日に発表されるであろうロレックスの2024年新作モデル。一連の3200系新型自動巻きムーヴメントへの移行に伴う既存モデルのマイナーチェンジも終了した今回、どんな新作が出るのかまったく予想がつかないため期待値は逆に大きい。
ということで、今回は予想ではなく筆者がぜひ期待したい新作を勝手に書かせていただきたい。それはミルガウスだ。まあありえないことかもしれないが、できればトップに掲載した写真のファーストモデル風デザインをお願いしたいものである。
1956年に高耐磁時計として世界に先駆けて開発されたミルガウス。ただ現在はミルガウスの誇った1000ガウスの15倍という1万5000ガウスの耐磁能力を備えたモデルがオメガからリリース、何んとそれはシースルーバッグで実現するほど最先端のものだった。それに比べて性能的にはかなり劣っていたミルガウスは、2023年にラインナップから姿を消した。
かつて世界で最も高い防水能力を備えていたシードゥエラーも防水能力で他社に先を越されるようになると、ロレックスはそれを圧倒する驚異的な防水能力のディープシーを商品化したという経緯がある。
ミルガウスも機械式時計の弱点を克服したエポックメイキングなモデルであったことに変わりはない。そんな歴史的なモデルを世界最強の耐磁時計として再び商品化することは、実用時計として常に最先端を追い求めてきたロレックス にとって、ある意味自然な流れのような気がするのだ。
ミルガウスの欠点はケースが分厚かったこと。それはムーヴメントを磁場から守るためのインナーシールドケースを内部に使っていたからなのだが、ロレックスの技術力で一般的な厚さのケースで新生ミルガウスをぜひ復活させてほしいものである。
菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中！
