両手にすくった水に映る星空を見て、星々の出合いに人の営みを重ね想う平安時代の詩に着想を得たというシチズン・カンパノラの“宙鏡(そらかがみ)”。そのロマンを表現するために、今回のモデルは古典的な様式にこだわっている。文字盤に採用された和の伝統工芸は、その最たるものだろう。
「漆や螺鈿は多彩な表現手法があり、また独特の美しい質感をもっています。漆は材料の特性上、湿気を吸ってゆっくりと固まっていくため、製作には非常に時間がかかるんです。また、人の手作業による工程が多く、意図したデザインを実現する難易度も高いです。その苦労に報いるかのように、有機的で美しく奥行感のある文字盤が完成するのです」(シチズン時計 商品企画センター/市川貴之さん)
【画像】漆(うるし)塗り文字盤が美しい!カンパノラ「宙鏡」3モデル
CAMPANOLA(カンパノラ)
限定モデル 「宙鏡」メカニカル
「ロマンを感じていただけるように“時”の魅力をそれぞれに凝縮しました」
クロノグラフも手がける名門として知られるスイスのラ・ジュー・ペレ製ムーヴメントを採用。漆や螺鈿、蒔絵といった 技法を贅沢に用いた文字盤は、宇宙の神秘や雄大さを見事に表現している。
また、ラ・ジュー・ペレのムーヴメントを用いた機械式モデルはもちろん、クォーツ機構で実現したグランドコンプリケーションも注目だ。
(右) 「宙鏡」グランドコンプリケーション
クロノグラフ、永久カレンダー、ムーンフェイズ、ミニッツリピーターといった複雑機構を網羅したモデル。文字盤には、青漆の上に螺鈿細工を施している。サークル形状の五徳リングを採用しており、文字盤は立体感があって視認性も高い。
(左) 「宙鏡」エコ・ドライブ
自慢の光発電エコ・ドライブ機構を採用したことで、定期的なメンテナンスが不要の実用性が高いモデル。6時位置のサブダイアルには⾦属粉を混ぜた紺漆を採用。8版重ねて印刷されたムーンフェイズ表示も非常に精緻なデザインだ。
「古典的な様式でありますが、ロマンあふれる“時”の魅力を凝縮したようなものであると考えています。特にミニッツリピーターの音色にはこだわりました。ブランド名の由来でもある鐘を叩いた音色のような余韻のあるソフトで美しい音を実現すべく、様々な科学的アプローチをとりました。
余韻あるソフトで美しい音を実現するには、“音色”・“エンベロープ(音量の変化線)”・“打音”の3要素をいかに良い形で再現できるかがカギになります。音色については、二つの基音とその倍音を発生させて自然な音を作っています。エンベロープについては、時計内部の電圧を調整することで幅広い音域をカバーして、自然に減衰していく様子を再現しました。そして打音については、音が発生した直後に聴こえる音程の定まらない音(噪音)が重要になります。2種の基音とその倍音以外にも、多くの音を混ぜ合わせることで噪音を発生させ、自然な鐘の音を再現しています。また、ムーヴメントだけでなく、裏ブタも音を響かせるための構造を採用しています」
クオリティを追求する姿勢に妥協はなく、いい意味での“やりすぎ感”すら感じさせる。
「それもすべてはお客様にロマンを感じていただき、時を愉しんでいただくためです。てるすべての力を尽くし、アイディアを具現化することで、お客様一人ひとりのインスピレーションと呼応し合うことができればと思っています」
【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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