Schofield(スコフィールド)は、自らを“風変わりな”イギリス時計ブランドと称している日本未上陸のマイクロウオッチブランドだ。
創業者でデザイナーのジャイルズ・エリスにより2011年に創業され、イギリス・ロンドンから約85km南下した西サセックス州の田園地帯に拠点を置く。
創業当初は“1年目に3本売れれば上出来”という、実に素朴なビジネスプランからのスタートだったようだが、蓋を開けてみれば、ローンチから半年で200本を売り上げ、突如として注目を浴びることとなった。
エリスはイタリア製西部劇と言われる、スパゲッティ・ウエスタンが好きで、ジェシー・ジェームズが使用していた回転式拳銃リボルバー、Schofield(スコフィールド)がブランド名の由来となっている。
業界トレンドに流されることなく独自の道を歩んでおり、エリスによるデザインで彼自身の個性を表現され、奥深さと理性を好む人々のために創られている。
今回は、この風変わりなイギリスブランドから、二つの最新モデルを紹介する。
【画像】型違いで2モデル紹介、“スコフィールド”新作時計のデザインを見比べる
Schofield(スコフィールド)
オブスキュラ
新作のオブスキュラは、創設者エリスの“自己陶酔プロジェクト”である。その名の通り、どこか得体の知れない雰囲気を漂わせるこのモデルは、軍事的、異星的とも受け取れる謎めいた出自を感じさせるデザインが特徴だ。
2017年に開発がスタートし、6年以上にわたって試行錯誤を重ねてきた。創業からの蓄積されたノウハウを活かし、最高級の素材の選択、職人技を用いて、細心の注意を払って作られたそうだ。
ケースは、アメリカ・ラスベガスの鍛造専門工房ベガス・フォージ社によるダマスカス鋼を採用。ナゼルハンマーで何層もの鋼を圧縮し、波紋状のパターンではなく“細胞構造”を思わせる独自の質感を実現している。成形されたケースをイギリス・サセックスの工房で酸処理し、完全に機械加工したものが最終的なケースとなる。
文字盤は複数の層で構成され、スーパールミノバが異なる色と発光特性で巧みに配されている。昼は無骨で冷静な表情、夜にはレーザーショーのような光の演出の二面性を持ち合わせているのだ。
ダークグレーの文字盤はロジウムメッキ仕上げでマットな質感。それぞれ異なる時分針の配色となっており、時針はルミノバ仕様で、分針はスケルトン、そして秒針は6時位置に配されたサブダイヤル上を青い針と赤いドットが回転するという個性的な構造となっている。
ケースは直径が 44mmで厚さ15mm。ドーム型サファイアクリスタル風防を装備しており、200m防水を備える。ムーヴメントはスイス製の手巻きキャリバー、 Unitas 6498-2 を搭載。グレークラウドレザー製ストラップが標準装備されている。
40本限定となっており、販売価格は付加価値税込みで 9558ポンド(日本円で約187万5000円)となる。
【画像】アメリカ製のダマスカス鋼ケース、“オブスキュラ”を別アングルから見る
Schofield(スコフィールド)
ライト
次に紹介するライトは、スコフィールドがこれまで培ってきたデザイン言語を再構築した意欲作。ケースサイズを40mmに抑えることにより、扱いやすく幅広い層にアプローチできるフィールドウオッチとなっている。
デザインモチーフは、イングランド南部に点在する“灯台”で、質実剛健でありながらも、正確さと永続性の象徴として機能するその姿にインスパイアされている。
ミリタリーテイストを感じさせるモノクロのカラーリング、非対称な文字盤のプリント、視認性に優れたクリスプなアラビアインデックスが特徴となっており、4時位置にあるリューズは、装着時に手首へ食い込みにくいように配慮されたものだ。
ケースは直径40mmで、厚さ13.5mmのステンレススチール製。ボックス型サファイアクリスタル風防を装備しており、200m防水を備える。
ムーヴメントは、セイコー製の自動巻きキャリバー、NH34A を搭載し、グレーレザーベルトに交換用ベルトも付属する。
ケース仕上げとダイヤルカラーの異なる2タイプがあり、各タイプ限定150本。
販売価格は付加価値税込みで 2190ポンド(約42万9000円)だ。スコフィールドの中では比較的手が届きやすい価格となっている。
【画像】セイコー製の自動巻ムーヴメント搭載、“ライト”を別アングルから見る
》Schofield(スコフィールド)
公式サイト
https://schofieldwatchcompany.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
【そのほかのニュースもチェック!】
■セイコー製メカクォーツ搭載【日本初上陸ブランド“ブリュー・ウォッチ(BREW WATCH)”】限定モデルなど15機種、TiCTACで発売開始
■夏の即戦力になるアイスブルーなど2機種【日本製時計“ケンテックス”数量限定モデル】セイコー製“機械式”ムーヴメント搭載