アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
オイスターパーペチュアル デイト Ref.1500
今回紹介するのは、1970年代に製造されたロレックス オイスターパーペチュアルデイト Ref.1500だ。時計愛好家の間では超定番のモデルであり、平凡過ぎるという意見も見られるものの、安定した性能とトータルバランスに優れた設計から、実用的なアンティークウオッチとして高い評価を得ている。
そんなオイスターパーペチュアルだが、バリエーションは豊富に展開されており、なかにはユニークな文字盤デザインも存在する。
ここで取り上げるのもそのひとつで、爽やかなブルーに波打つ海面のような模様の入った通称“ブルーミストダイアル”だ。細やかな模様と光の加減によって色味や表情が変化するのが特徴になっている。晴れた屋外や曇り空、室内灯など、それぞれの光源によって文字盤の変化を楽しめるため、飽きのこないデザインと言えるのではないだろうか。文字盤や針、インデックスには目立った傷や腐食は見られず、比較的良好な状耐を保っている点も見逃せない。

【写真の時計】ロレックス オイスターパーペチュアルデイト。Ref.1500。SS(34mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1970年代製。79万5000円。取り扱い店/ムーンフェイズ
スムースベゼルのオイスターケースには、目立った打痕や傷、変形は見られず、度重なる研磨仕上げによるケースのヤセも見られない。裏ブタのパッキン接触面にもサビや腐食は見られず、丁寧に使用されていたことがうかがえる。高い防水性は期待できないものの、新しいパッキンに交換することで湿気や汗の侵入は防ぐことができるだろう。
ムーヴメントには信頼性の高い自動巻きのCal.1570を搭載。適切な整備を施せば、いまなお現役で活躍できる性能を備えている。精度をつかさどるヒゲゼンマイに、姿勢差が生じにくい巻き上げヒゲを採用し、従来の緩急針ではなく、テンプの外周に設けられたマイクロステラスクリューによって精度調整を行うなど、精度の向上を目的とした特殊な設計を積極的に採用したキャリバーであった。デイトの早送り機能は備えていないものの、そのシンプルな構造ゆえに故障やトラブルが少なく、現在でも名機として語り継がれている。
注意点として、ロレックスのムーヴメントは、油切れが起きても問題なく稼働してしまう場合が多いため、時間の進みや遅れ、自動巻きローターからの異音、リューズ操作の違和感を覚えた際には早期のメンテナンスをおすすめしたい。
また細やかなコマのジュビリーブレスレットが装着されており、しなやかな装着感が特徴的だ。おじさん時計のようなイメージをもたれがちなデザインだが、アクセサリー感覚で軽やかに装着できる点は現行モデルにはない魅力ではないだろうか。
ロレックスの信頼性とブランド力を高めるきっかけとなった、防水性の高いオイスターケースと、優れた巻き上げ効率を誇るパーペチュアル機構。その双方を採用したスタンダードモデルに注目だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎ムーンフェイズ