【アニバーサリーイヤーに誕生した個性あふれる新作5機種】
ここまでグラスヒュッテ・オリジナルの180年にわたる歴史とともに、節目の年を祝う二つのアニバーサリーモデルを取り上げてきた。そしてここからは記念すべきアニバーサリーイヤーにリリースされた個性あふれる四つの限定モデルとひとつのレディースモデルにフォーカスしてお届けする。
・セネタ‧エクセレンス‧パノラマデイト‧ムーンフェイズ
・セレナーデ‧ルナ(レディース)
・セブンティーズ‧クロノグラフ‧パノラマデイト
・パノマティック‧カレンダー
・セネタ‧マイセン

■Ref.1-36-24-05-02-61。SS(40mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.36-24)。166万1000円(シンセティックベルト仕様:171万6000円、ステンレススチールブレス仕様:185万9000円)/Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
Glashütte Original(グラスヒュッテ・オリジナル)
セネタ・エクセレンス・パノラマデイト・ムーンフェイズ(ルイジアナ・アリゲーターベルト仕様)
ローマンインデックスに洋梨型針など19世紀の懐中時計を思わせる古典的なデザインが特徴的なセネタ‧エクセレンス‧パノラマデイト‧ムーンフェイズに、今回新たにローズカラーのフロステッドカッパー(写真)とシルバーカラーのフロステッドシルバーの新色ダイアルが加わった。
エルツ山地の豊かな鉱床からインスピレーションを得たというこの新カラー。微細な粒子を付着したような表面のグレイン仕上げが鉱石を思わせる独特の雰囲気を醸し出している。

Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
手作業で仕上げられたローマンインデックスは、ブルーでコーティングされたソリッドゴールド製。対してブルーの時分針はポリッシュ仕上げのため控えめな印象の雰囲気にほのかな艶感と高級感をプラスしているようだ。シリコンヒゲゼンマイに100時間以上のパワーリザーブを備えた自動巻きキャリバー36を搭載する。

■Ref.1-35-14-01-06-04。RG×SS(32.5mm径)。3気圧防水。自動巻き(Cal.35-14)。204万6000円/Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
Glashütte Original(グラスヒュッテ・オリジナル)
セレナーデ・ルナ
エレガントな女性に向けたグラスヒュッテ・オリジナルの新たなコレクションとして2024年に登場したセレナーデ・ルナに今回4種類のバリエーションが追加されて充実したラインナップとなった。
そのひとつ、写真のステンレススチールケースにレッドゴールドベゼルを組み合わせたバイカラーモデルは、文字盤はホワイト・マザーオパール製。インデックスとリューズにはさりげなくダイアモンドをあしらうなど程よいドレッシーさも併せもつ。

■Ref.1-37-02-19-02-63。SS(40mmサイズ)。10気圧防水。自動巻き(Cal.37-02)。世界限定100本。221万1000円(ステンレススチールブレス仕様:237万6000円)/Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
Glashütte Original(グラスヒュッテ・オリジナル)
セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト
セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイトはご覧のようにまさにGUB時代の1970年代を彷彿とさせるTVスクリーン型の独特なスクエアケースが大きな特徴だ。ここに紹介する2色のダイアルカラーは、世界限定100本のみの限定カラーとなる。
グラスヒュッテニ新設された文字盤の新工房で製造された「プラズマ(バイオレット)」と「フュージョン(ライムグリーン)」と名付けられた2色の文字盤は、角度や光の加減によっても色が変化するため、真の色は見る人によって微妙に異なる印象を与えるという。
搭載する自動巻きのクロノグラフムーヴメントは、瞬時に再計測ができるフライバック機能付きで70時間パワーリザーブのキャリバー37-02。クロノグラフでありながらも10気圧防水というのも見逃せない。

■Ref.1-92-11-01-03-61。Pt(42mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.92-11)。世界限定150本。611万円6000円/Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
Glashütte Original(グラスヒュッテ・オリジナル)
パノマティック・カレンダー
180周年記念のアニバーサリー・エディションとして紹介した非対称文字盤に象徴されるパノマティックルナシリーズに2022年に加わったアニュアルカレンダー機能付きモデル、それがパノマティック・カレンダーである。
アニュアルカレンダーとは30日と31日での日付け調整を不要とする複雑なカレンダー機構を指す。それを象徴するのが文字盤外周の3時から6時位置にかけて設けられた月を表すレトログラード式のインジケーターだ。これによって自動で判別する。そのため日付調整は3月1日の年に1回だけですむため利便性は格段に高い。
今回登場したプラチナケースを採用した世界150本限定製造のスペシャル仕様は、文字盤に「ブルー オブ ドーン(Blue of Dawn)」と呼ばれる深いブルーカラーを使い、そのインジケーターもブルーのサファイアクリスタルの窓に12 カ月が数字を表示、その下にあるリングのインジケーターによってひとつの月だけが強調表示される仕組みだ。
しかも大胆にカットアウトされた文字盤からは普段ケースに内蔵されていて目にすることのない美しいムーヴメントの一部が楽しめるというのもこのモデルの大きな魅力であることはいうまでもない。シリコンヒゲゼンマイを備えた自社製自動巻きムーヴメント、キャリバー92-11を搭載。100時間ものロングパワーリザーブを備える。

■Ref.1-36-16-02-05-01。RG(40mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.36-16)。世界限定150本。423万5000円/Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
Glashütte Original(グラスヒュッテ・オリジナル)
セネタ・マイセン(セラドングリーン)
透明感のある淡いグリーンが印象的なセネタ・マイセン。このモデル名からもわかるように文字盤は300年の歴史あるドイツの名窯、マイセンが手掛けたポーセリン製だ。
極薄の磁器製ディスク(ポーセリンの板)を最初に1400℃で焼成した後、模様や文字、ローマンインデックスなどのデザイン要素を、職人が細い筆を使って一層ずつ描き何層にもわたって塗り重ねる。そしてより深みのある色合いに仕上げるために、どの層も窯で900℃で焼成する。この透明感はこれだけの手間をかけてこそ生み出される。

Photograph by Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
センターサークルには植物の優美で繊細な曲線をモチーフにしたロカイユ模様が配され、縦長のローマンインデックスに時針は洋ナシ型と、まさに19世紀の懐中時計を彷彿とさせるデザインで品がいい。なお、文字盤をよく見ると6時位置のインデックスはローマ数字のVIではなくマイセンの証として「剣マーク」があしらわれている。
このセラドグリーンと同じ図柄でホワイトもラインナップ。加えてこのセラドグリーンの上に華やかな花や動物のモチーフが描かれた世界限定8本という希少モデルも存在する。そして搭載するのは磁場や温度変化に強いシリコン製ヒゲゼンマイを採用する自社製自動巻きムーヴメントのキャリバー36。100時間パワーリザーブだ。
【問い合わせ先】
グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座
TEL.03-6254-7266
文◎菊地吉正(編集部)
