アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ホイヤー
2レジスター クロノグラフ
今回取り上げるのは、1970年代に製造されたホイヤーの2レジスター クロノグラフだ。
クッション形のケースやタキメーターが刻まれたベゼル、マットなブラック文字盤、朱色のクロノグラフ針など、当時のモーターレースを意識したスポーティな意匠が随所に盛り込まれており、どこかレトロな雰囲気も感じさせる1本である。
現在のタグ・ホイヤーのような高級志向の製品コンセプトではないため、華やかな高級感こそ備えていないものの、実用性を追求した武骨なスポーツウオッチとしての仕上がりが魅力だ。
製造から半世紀ほどが経過しているため、各所に小キズやわずかな塗装の剥がれは見られる。しかし、文字盤の塗装や夜光塗料、ベゼルに大きなダメージはなく、全体として非常に良好なコンディションを維持している。なお、時針の夜光塗料はやや色味が異なるため後年に補修された可能性が高いが、そのぶん今後の夜光剥がれや欠損のリスクが抑えられている点はメリットといえる。

【写真の時計】ホイヤー 2レジスター クロノグラフ。Ref.3002-3006。SS(37mm径)。手巻き(Cal.バルジュー7734)。1970年代製。45万8000円。取り扱い店/ジャックロード
【画像:クッション形のケースやベゼル、裏ブタの状態を確認する(全5枚)】
ムーヴメントには、手巻きクロノグラフのCal.バルジュー7734を搭載。量産性を重視した設計で、クロノグラフの制御にはカム式を採用し、レバー類にはプレス加工を多用することで生産性を高めている。仕上げに関しては、ほかの高級機のような装飾は控えめだが、堅牢で故障が少なく、実用機としての完成度は非常に高い。
このムーヴメントはホイヤーにとどまらず、当時のブライトリングやチューダーなど、さまざまなブランドで採用され、手頃な価格で高性能なクロノグラフを市場に普及させることに貢献したとされる。
また、クォーツショックに揺れた1970年代、高性能なクォーツとの差別化が求められる中で、スペースエイジデザインやモータースポーツに着想を得た個性的なクロノグラフが数多く生み出された。量産性も高く、汎用性にも優れていた本ムーヴメントは、そうした時代を支えた存在でもあったのだ。
高級品としてではなく、アクティブなシーンでの使用を想定して生まれたホイヤーのクロノグラフ。週末のドライブのお供として、ぜひ着用したいスポーティな1本だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎ジャックロード
