【セイコー クロノストップとジェームス・ブラウン!?】“音楽”とリンクする、私的な“アンティークウオッチ”コレクション3選

大好きな”音楽”とリンクした時計を、独断と偏見でセレクト

 日照時間が長くなり、春の訪れを感じる季節になってきた。欧米ではスプリング・クリーニング=春の大掃除があり、冬の間に使用した暖炉やストーブの煤汚れや、たまった汚れを大掃除する風習がある。冬の眠りから目覚めさせるのに冬の間に蓄積された汚れを一掃し、新しい季節に向けて心機一転できる。

 今回はスプリング・クリーニングを兼ねて整理整頓した、私のお気に入りのレコード(時には “ワックス “と呼ばれることもある)とともに、ヴィンテージの時計を紹介したいと思う。


《“JAMES BROWN(ジェームス・ブラウン)” – セイコー クロノストップ》

 ひとつめに紹介するのは、ミスター・ダイナマイト、ソウルのゴッドファーザー、そしてJBの異名を持つ、ジェームス・ブラウン。音楽のジャンルや大陸を超えて影響力がある音楽界の巨匠である。 1950年代後半から2000年代初頭まで、60枚近くのアルバムをリリースし、数えきれないほどのライブを行った。

 デビュー当初、ジェームス・ブラウンはアメリカ中西部の北東、オハイオ州・シンシナティを拠点とするキング・レコードというレーベルでレコーディングをしていた。 このレーベルはジェームス・ブラウンがミュージシャンとしてのキャリアをスタートしたといわれている。

 1969年にリリースされたレコードは、A面に “Honky Tonk Popcorn”を収録した7インチアルバム。この曲はリズム&ブルースピアニストでもあり、オルガニストのビル・ドゲットと、ジェームス・ブラウンと彼のバンド、ザ・JBsとコラボレーションによるもの。

 わずか3分弱の曲にJB特有のリズミカルなソウル・スクリームをふんだんに盛り込んだタイトでスモーキングなインストゥルメンタル・グルーヴが特徴的な曲である。

 このレコードに合わせて選んだ時計は、セイコーが初めて作ったクロノグラフである5717-8990。“セイコー クロノストップ”と呼ばれるこの時計は、1964年の東京オリンピックに合わせて発売され、セイコーは公式計時を担当した。 初期モデルは、その裏ブタにオリンピックの聖火をエンボス加工していたが、後発モデルでは、タツノオトシゴのデザイン、または “セイコー “が中央に刻印された標準的な馬蹄形のデザインを持っていた。 ケースサイズ37.5ミリで、セイコー5717A手巻きムーヴメントを搭載している。

 ジェームズ・ブラウンのキャリアが飛躍し始めたのとほぼ同じ時期にデビューした時計というだけでなく、セイコー初のクロノグラフウオッチであるため、当初から高い精度を求められていたというのもポイント。 ジェームズ・ブラウンはバンドメンバーの演奏に高い正確性を求めており、演奏時のミスには罰金を科していたことでも知られている。 シルバーの文字盤にブラックのマーキングが施された回転ベゼルは、セイコーのデザインアーカイブの象徴的な存在であり、JBの音楽のように時代を超えて愛されている。


《“SHIRLEY ELLIS(シャーリー・エリス” – タイメックス マーリン》

 二つめに選んだシャーリー・エリスは、1929年にアメリカの大都市、ニューヨーク市のブロンクスで生まれた、アメリカのソウル・ミュージック・シンガー、ソングライターである。 エリスはソロでの音楽活動を始める前、メトロノームズの一員として活動していた。 エリスの最大のヒット曲は“The Clapping Song”という曲で、全世界で100万枚以上のセールスを記録した。 この曲は、”Little Rubber Dolly “の歌詞を取り入れたもので、手拍子ゲームが含まれており、この曲は20組以上のアーティストにカバーされている。

 このレコードはアメリカ・カナダ・ラテンアメリカでレコード販売していたイギリスのレコードレーベル、London America Recordingsの7インチアルバム。 このレコードは1965年にイギリスで製造されたもので、次に紹介する時計とほぼ同時期に製造されたものだ。

 そして、このレコードに合わせて選んだ時計は1966年の“タイメックス マーリン”。グレートブリテン島の北部、スコットランドのエディンバラから北へ80kmに位置する“ダンディー”にある工場で製造されたとも言われるモデルで、ドーム型風防で確認しにくいが6時位置の下に “Great Britain”という文字があり、この時計の文字盤がイギリスで製造された可能性が高いことを物語っている。

 6時位置の上に “waterproof “が表示されているが、タイメックスは68年に“waterproof” から“water resistant”へ表記を変更している。 手巻きムーヴメントを搭載し、ケースサイズはコンパクトな34mm。

 今回紹介した時計は、いずれも1960年代の時計であるがいまでも比較的手頃な価格で手に入れることが可能である。興味がある人は、ぜひ探してみてほしい。


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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