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【ヴァシュロン・コンスタンタンの隠れた名作】造形美で魅せる1990年代製の“フィディアス”とは

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ヴァシュロン・コンスタンタン
フィディアス

今回取り上げるのは、1989年に登場したヴァシュロン・コンスタンタンのフィディアスRef.48010/967M-7だ。

同社の一体型ブレスレットウォッチの系譜において、同モデルは、77年に登場した“222”と、96年に誕生した初代“オーヴァーシーズ”を結ぶ重要なモデルである。222の後継にあたる333を経て登場したフィディアスは、ケースとブレスレットを滑らかに連続させるデザインを採用。そのブレスレットの特徴的なリンク形状は、初代オーヴァーシーズにも受け継がれたとされている。デザインには、後に初代オーヴァーシーズにも携わるディノ・モドロが関与している。

同モデルは、ステンレススチールとイエローゴールドを組み合わせたコンビネーション仕様だ。ケース径は33mmで、日付表示を備えた自動巻きモデルである。ゴールドカラーのベゼルや、ケースから連続する一体型ブレスレットが、スポーティでありつつもドレッシーな印象を与えている。

【写真の時計】ヴァシュロン・コンスタンタン フィディアス。Ref.48010/967M-7。SS×YG(33mm径)。自動巻き。1990年代製。112万円。取り扱い店/ムーンフェイズ

【画像:リネンのような仕上げの文字盤やコンビカラーの外装の状態を見る(全6枚)】

フィディアスのブレスレットで特徴的なのは、各リンクの中央に設けられた帯状の造形と、水平に区切られた立体的な構成だ。丸みを帯びたケースと組み合わせることで、先代の222や333とは異なる、シャープでありつつも有機的な洗練された外観を生み出している。モデル名は古代ギリシャの彫刻家フィディアスに由来し、クラシックな芸術を想起させる名称も、この時計の個性を形作る要素のひとつとなっている。

文字盤には、リネンを思わせる質感の仕上げやバーインデックスを採用した仕様が存在する。シャンパンゴールド系の色調と、すっきりとしたインデックス配置によって、過度な装飾に頼らない端正な表情を実現している。

スポーティな一体型ブレスレットと、クラシックなドレスウオッチのエレガンス。その両面を併せ持つフィディアスは、222から333、そして初代オーヴァーシーズへと続くヴァシュロン・コンスタンタンのデザインの変遷を考えるうえで、見逃せない存在だ。派手な造形や装飾に頼るのではなく、ケースからブレスレットまでの一体感や、腕に着けた際の全体のまとまりを重視したデザイン。その控えめながらも洗練された造形美こそ、この時計の大きな魅力と言えるだろう。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎ムーンフェイズ

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