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【この見た目で音が鳴る⁈】多機能なのに意外とお手頃な手巻き&自動巻きアラームウオッチ3選

機械式腕時計には、クロノグラフやアラーム、リピーター機能など、ゼンマイの動力と歯車だけで作動する純粋なアナログ機構が搭載されており、多くの愛好家を魅了してきた。なかでもリピーターウオッチは、その複雑性と希少性から非常に高価で、一般消費者には手が届きにくい存在となっている。一方、同じ鳴りモノ系でもアラームウオッチは1950年代のアメリカ市場でのブームを背景に、各社が競って量産を行ったことから、現在でも流通量が多く、比較的手頃な価格で入手することが可能だ。そこで今回は、機能付きなのに意外とお手頃な手巻きアラームウオッチを紹介していく。


【写真の時計】ティソ ソノラス。SS(33mm径)。手巻き(Cal.25.6-821)。1950年代製。19万円。取り扱い店/Curious Curio(キュリオスキュリオ)

1本目は、1950年代にティソが製造したソノラスだ。文字盤上の4本の針が特徴的であり、2時位置に配されたリューズによって矢印型のアラーム設定針を操作することが可能になっている。程よく焼けた文字盤とクサビ形のインデックス、パールドットやロゴマークなどの立体感が魅力的だ。また、アラームウオッチとしては珍しく、防水ケースに納められており、ネジ込み式のリングによってピン付きの裏ブタを押し付ける構造を採用している。実用性を考慮した堅牢な作りのおかげか、この個体では文字盤やムーヴメントに目立ったサビや腐食は見られない。

【画像:別のアングルから見る


次に紹介するのは、シチズンが製造したシチズン アラームだ。

【写真の時計】シチズンアラーム。SS(35mm径)。手巻き。1950年代製。13万2000円。取り扱い店/Watch CTI

1959年に初代モデルが誕生し、国産初のアラームウオッチとして名を馳せていたモデルである。
その中でも、今回紹介する個体はジャガー・ルクルトによく似たアラーム設定ディスクを備えた初期型の個体だ。2重になった裏ブタの内側に立てられたピンをハンマーで叩くことで大きな音を出す仕組みであり、十分な音量を確保している。文字盤やケースに年代相応の劣化は見られるものの、比較的良好なコンディションを保っている。


最後に紹介するのは、ジャガー・ルクルト メモボックスの自動巻きモデルである。

【写真の時計】ジャガー・ルクルト メモボックス。Ref.E855。SS(37mm径)。自動巻き(Cal.815)。1960年代製。58万8000円。取り扱い店/WatchTender 銀座

 

バンパー式自動巻きムーヴメントのCal.815を搭載し、1959年に世界初の自動巻きアラームウオッチとして登場した。
文字盤には三角形のマークが印刷された回転ディスクが配されており、ひと目でメモボックスとわかる先代モデルの意匠を継承している。同社を代表するアイコンモデルとして高く評価され、現在も後継機が製造され続けている名作シリーズである。
こちらもネジ込み式のリングを採用した防水ケースを採用しており、気密性を高めたケース構造もあって文字盤や針の腐食や変色は少なく、良好なコンディションを保っている。さらに純正のゲイ・フレアー社製ブレスレットが付属している点にも注目だ。ただし、当時の防水性能は期待できないため、非防水として扱うことを推奨する。

 

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文◎LowBEAT編集部

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