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【ダイバーズ×クロノグラフのスポーティな要素が融合】1960年代に誕生したマニア必見のスポーツ系アンティークウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ジェニー
カリビアン ヨッティングクロノグラフ

今回紹介するのは、1960年代に製造されたジェニーのカリビアン ヨッティングクロノグラフだ。

ジェニーというブランドは日本での知名度は低いが、1963年にポール・G・ジェニーによって創立された歴史をもち、主にプロフェッショナル向けのダイバーズウオッチやその防水ケースの製造を得意としていた。60年代に登場したカリビアンシリーズでは世界初の1000m防水を達成した腕時計を製造するなど、突出した技術力を有していたのだ。

この防水ケースは、オレッヒ&ワイスやジャケ・ドローなどが採用したことで知られており、海外のダイバーズウオッチコレクターを中心に高い人気を集めている。

その後、ジェニー社はクォーツショックの影響を受けて経営の危機に瀕した、ダイバーズウオッチを手掛けていたことで有名な“ドクサ”を買収しており、以降は姉妹ブランドという立場になったのだ。

(写真の時計)ジェニー カリビアン ヨッティングクロノグラフ。Ref.2003。SS(39mm径)。手巻き(Cal.バルジュー72)。1960年代製。52万8000円。取り扱い店/WatchTender銀座

【画像:ネジ込み式の裏ブタやムーヴメントの状態を見る(全6枚)

本個体は1000m級の防水性能は有していなかったものの、文字盤には“20ATM”と表記され、スクリューバックの堅牢なステンレススチール製ケースを採用することで、高い防水性を確保していた。その証拠に、文字盤の印刷や夜光塗料に目立った腐食もなく、良好なコンディションを維持している。ベゼルインサートにベークライトを使用した両方向回転のベゼルが特徴的で、水色にプリントされた文字が印象的だ。経年劣化で割れやすいベークライトもしっかりと残っている点に注目したい。

もっとも、60年代当時は厳密な防水規格や試験方法が確立されていなかったことに加え、各所のパッキンや風防、ケースの劣化も進行しているため、現在の防水規格と同等ではないと考えたほうが良いだろう。

3時位置のインダイアルに印刷された、青と赤のヨット競技用のカウントダウン計が最大の特徴で、回転ベゼル付きの防水性の高いケースと組み合わせることでマリンスポーツに特化した時計として仕上げられている。

ムーヴメントには、インダイアルが3つ並んだレイアウトが特徴的な、手巻きクロノグラフの名機Cal.バルジュー72を搭載。ロレックスやホイヤーにも採用された実績のある信頼性の高いベースムーヴメントを搭載している点は見逃せない。

ダイバーズウオッチとクロノグラフの長所をあわせもつ、マリンスポーツを意識したアンティーククロノグラフに注目だ。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender銀座

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