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菊地吉正の時計考_027|実機拝見。オメガの新作レイルマスター、38mmのスモセコ付きは50年代の南米市場向けを思い起こさせる味な作り

筆者による撮影のため正確な文字盤の色味は画像ギャラリー(文末にリンク)を参照

今回のインプレッションは、オメガ最新作のレイルマスターをお届けしたい。時計好きの人はご存じだと思うがレイルマスターとは、オメガを代表するプロフェッショナルラインとして歴史に名を刻む3部作(トリロジー)のひとつだ。

この3部作とは、クロノグラフ機構を装備したカードライバー向けスピードマスター、優れた防水能力をもつダイバー向けシーマスター300、そして高い耐磁性能を有した鉄道員向けのこのレイルマスターだ。筆者のようなアンティーク時計好きの間ではこれらをマスター3兄弟とも呼ぶ。

さて、今回刷新されて登場した写真のレイルマスターだが、現代的なアレンジはなく、針の形状や前作よりも2mmダウンサイズされて38mm径になるなどディテールとサイズ感が1957年のオリジナルに近いテイストで再現されている。

しかも新たに採用されたこのブラウングラデーションの文字盤が、アンティーク時計の世界で言うところのブラウンチェンジしたトロピカル風でかなり味わい深い仕上がりだ。

1950年代後半の南米市場向けを彷彿とさせるスモセコ付き

そして筆者が今回最も興味を引いたのがスモールセコンド付きという点だ。これを見て真っ先に1950年代後半にシーマスターやレイルマスターのディテールを踏襲して南米向けにオメガが展開したスモールセコンド付きの初代“ランチェロ(Ranchero)”を思い浮かべてしまったからだ。その意味ではこれまでになかった色使いなどとともに今作ならではの隠れた魅力と言えるのかもしれない。

なお、写真のレザーベルトに加えて、ブレスレットモデルも用意。文字盤についてもこのブラウンのほかにもうひとつモダンで素直にカッコいいと感じさせるグレーグラデーションもレザーベルトとブレスレットで展開されている。このグレー文字盤については通常のセンターセコンド仕様となっておりスモールセコンドのラインナップはない。写真は下記のリンクからチェックを!

【画像】新作のブレスタイプとグレーダイアル、そして50年代の“ランチェロ”の写真も!

【オメガ シーマスター レイルマスター】
SS(38mm径)。15気圧防水。自動巻き(コーアクシャルCal.8804/15,000ガウスの耐磁性)。91万3000円(ブレス95万7000円)
協力◎オメガ TEL:0570-000087

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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