G-SHOCK(ジーショック)が近年力を入れている“CMF”ってなんだ?

 “CMF”という言葉を聞いたことがあるだろうか。
 これはプロダクトの表面を構成する3大要素となる“Color(色)”、“Material(素材)”、“Finish(仕上げ)”の頭文字を取ったデザイン用語だ。
 この“色”、“素材”、“仕上げ”をどう選択していくかによって、プロダクトのイメージ(見た目)は大きく変わり、それは消費者の商品選びにも大きく影響するため、これを体系的に理解しデザインすることが大切という考え方である。

 タフスネという本質を貫きながらも、ファッションアイテムとしても絶大な人気を誇るG-SHOCK(ジーショック)では、このCMFを意識したモノ作りは欠かせなく、実際、以前から現場で実践されているのだが、技術の進化などによって、近年その表現がいっそう多種多様になってきている。


 好例が2018年に初登場したフルメタルG-SHOCKのGMW-B5000Dだろう。
 それまでのG-SHOCKは、“樹脂製”というイメージが強く、どうしてもカジュアルに捉えられがちであった。しかしながら、メタルの質感を強調し、かつ丁寧な仕上げを施すことで高級感を打ち出したGMW-B5000Dの登場により、そのイメージは一新。大人が楽しめるG-SHOCKとして多くの支持を得ていることはご存じのとおりだ。
 この成功を受けて製作の最前線である羽村技術センターでは、いまもCMFに関連する新たな技術開発が日々行われている。
 そこでここでは“カラー”、“マテリアル”、“フィニッシュ”それぞれにおける最新作を紹介しよう。

》Color
発色鮮やかなローズゴールドカラー

GMW-B5000GD
フルメタルG-SHOCK、GMW-B5000 Dシリーズの最新作は、鮮やかな発色に仕上げたローズゴールドカラーを採用する。金属の塊から削り出したような重厚な質感はそのままに、ラグジュアリーな雰囲気が強調されたモデルだ。
■Ref.GMW-B5000GD-4JF。ステンレススチール(ローズゴールドIP加工)ケース&ブレス。ケースサイズ43.2×49.3mm。20気圧防水。クォーツ(電波ソーラー)。7万4800円

本作でも外装はサテンとポリッシュの異なる仕上げを使い分けて造形に立体感を与えるとともに高級な雰囲気をプラスしている

 

》Material
軽快な雰囲気を強調したスケルトン素材

GA-2100SKE
透過する樹脂パーツで構成されるスケルトンシリーズの新作。ホワイトをベースにしたクリアタイプのカラーリングを施し、軽快な印象を高めている。一方、モジュールはカーボンコアガード構造によって保護されており、優れたタフネス性能は従来に同じだ。5600系、GA-700をベースにしたバリエーションのほか、グレーのスケルトンモデルも展開されている

■Ref.GA-2100SKE-7AJF。カーボンケース、樹脂ストラップ。ケースサイズ45.4×48. 5mm。20気圧防水。クォーツ。1万5950円

見た目には繊細なイメージのあるスケルトン仕様だが、耐衝撃構造や防水性能などは従来モデルと同じタフネスモデルだ

 

》Finish
日本の伝統を取り入れた威厳あふれる仕上り

MR-G MRG-B2000B
日本の伝統色“勝色(かちいろ)”をデザインに落とし込んだMR-G最新作。仕上げとしてザラツ研磨を施して、適度な輝きを与えた外装に、さらに深層硬化処理とDLC処理を施し耐久性が高められている。日本古来、受け継がれてきた強さや美意識を表現した1本だ。
■Ref.MRG-B2000B-1AJR。チタン(深層硬化処理、DLC処理)ケース&ブレス。ケース径49.8mm。20気圧防水。クォーツ(電波ソーラー、Bluetooth対応)。33万円

差し色として使われる濃い紺色は、勝色と呼ばれる日本の伝統色。さらに文字盤に鱗紋があしらわれ、日本的な雰囲気が強調された

 

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎水橋崇行

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