【ドイツらしいミニマルデザインと堅牢な作りが魅力】ベルリン発の時計ブランド、Ten Eleven Nine(テン・イレブン・ナイン)

 Ten Eleven Nine(テン・イレブン・ナイン)はドイツの首都・ベルリンを拠点とする日本未上陸の独立系時計ブランドだ。クリエイティブ・ディレクターであり、フォトグラファーでもあるヘンリック・オストホフが2019年に設立した。

 ブランド名の“Ten Eleven Nine”とは彼らのスタジオがあるベルリンの中心部、ミッテの郵便番号“10119”に由来する。このブランド名には、地理的なことだけではなく、異なるライフプラン共存の姿勢など、創造性と寛容さを備えた比喩的な意味でのベルリンに魅力に注目して欲しかった、という思いが込められているようだ。

 創業者のオストホフが影響を受けたデザインはミッドセンチュリーの建築物、アナログカメラ、1950年代から70年代のツールウオッチなど。彼は最近の時計デザインにはヴィンテージのツールウオッチに見られるクリーンな機能性が欠けている、と感じており、 理想とする時計を探しても見つからなかったため、自分で理想とする時計を作ることを決意する。


 オストホフが時計をデザインするにあたって最初に目指したのは、“メイド・イン・ジャーマニー”の象徴的な時計を作ることだった。 彼はエレガントで時代を超越したミニマルデザイン、ツールウオッチとしての視認性の高さとダイバーズウォッチの頑丈さを融合させたいと考え、目指したのは、どんな場面でも使用できる一生共にできる信頼性の高い機械式時計だった。


》ツールウオッチの機能性と造形にドイツブランドらしいミニマルデザインを融合


 テン・イレブン・ナインのウォッチコレクションは、3つのモデルで構成されており、全モデルに共通するデザイン要素がある。写真、アート、建築関連の書籍を専門とるすフォトグラファーであるオストホフ氏は、アンティークツールウオッチの印刷された文字盤からヒントを得て、クリーンで縮小された外観を実現したいと考えた。 オストホフ氏によると最大の課題は調和とバランスを保ちながら、文字盤のデザインを必要なものだけにすることだったそうだ。テン・イレブン・ナインの文字盤は、グレーとブルーの色調で、文字盤のホワイトマーカーを引き立てている。


 オストホフはドレスウオッチとツールウオッチのデザイン要素の融合を考え、ドーフィン針にする。デザイン言語として50年代のドレスウオッチを彷彿とさせるが、一方で、高い視認性は上質なヴィンテージツールウオッチの側面を明確に持ち合わせている。


 1950年代、60年代のスイス製機械式時計のケースからインスピレーションを得て、時代を超越した堅牢なケースを目指した。200mの防水機能とねじ込み式リューズは、あらゆる活動に対応可能な実用時計をデザインしたいと考えていたオストホフにとって重要な機能だった。

 今年、大手クラウドファウンディング“Kickstarter(キックスターター)”のキャンペーンで成功を収めたテン・イレブン・ナインのコレクションは近日、同社オンラインショップで全世界に向けて販売予定だ。

 今回はテン・イレブン・ナインのコレクションから、3つのモデルを紹介する。3モデルそれぞれの価格は約1,385.71ユーロ(付加価値税別)約179,000円での販売をウェブサイト上で案内している。


Ten Eleven Nine(テン・イレブン・ナイン)
ミニマル

 その名の通り、基本に忠実な時計で 文字盤にはアプライドのバーインデックスを配し、インデックスの数字を排除したミニマルなデザイン。 38mmケースに自動巻きムーヴメント、Sellita SW200-1を搭載している。


Ten Eleven Nine(テン・イレブン・ナイン)
リサーチャー

 創業者の探究心や好奇心、次の角の先に何があるのかを発見したい欲求から名付けられた。 文字盤デザインは12と6のみアラビア数字を使用し、シングルスティックマーカーを配している。ミニマルデザインにフィールドウオッチの雰囲気をさりげなくプラスしたデザインと言えるだろう。ケースは38mm、自動巻きムーヴメント、Sellita SW200-1を搭載している。


Ten Eleven Nine(テン・イレブン・ナイン)
ヴェーツバイト

 ヴェーツバイトとはドイツ語で“世界中”という意味で、世界のあらゆるものがつながっていることを表現しているそうだ。 文字盤デザインは大きな円形の時間プロットを採用しタダイバーズウオッチスタイルに仕上げられており、視認性の高さを追求している。 ケースは38mm、自動巻きムーヴメント、Sellita SW200-1を搭載している。


》Ten Eleven Nine(テン・イレブン・ナイン)

公式サイト
https://www.tenelevennine.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/