【日本製のメカクォーツを搭載】ドイツのクラシックウオッチ、Vintro Watches(ヴィントロ・ウォッチ)に注目

 ドイツを拠点とする日本未上陸のマイクロブランド、Vintro Watches(ヴィントロ・ウォッチ)は、普段使いできる手ごろな価格帯で、クラシックでヴィンテージ感のあるデザインのコレクターズウォッチを作るというビジョンから生まれた。


 ブランド名の “Vintro(ヴィントロ)”とは“ヴィンテージ”と“レトロ”、二つの言葉を組み合わせた造語に由来している。

》幼少期から接していたアンティーク時計がデザインの原点


 ヴィントロ・ウォッチの創業者であるウリ・ヴァーカは、アンティーク時計を収集していた父親に連れられて骨董市や時計市に出かけており、幼少期から時計に興味をもっていたという。

 創業者のウリがはじめて時計を購入したのが10歳のときだ。自分の小遣いでスウォッチのスキューバ・ハッピー・フィッシュを手に入れ、その後、12歳のときには父親から初めての機械式時計を譲ってもらう。その時計は、ウリの故郷であり、ドイツ時計産業の中心地のひとつでもあるシュヴェービッシュグミュンドの時計メーカー、ビフォラの時計だった。

 この時計がウリのアンティークウオッチへの情熱の出発点となり、その後に彼が収集したアンティークウオッチのコレクションは、ヴィントロ・ウォッチのデザインやコンセプトを形成する、土台になっていったのだ。 ヴィントロ・ウォッチはメイド・イン・ジャーマニーの品質にこだわっており、すべてのコレクションがドイツ製。設計、組み立て、品質管理はシュトゥットガルト地方のアーレンにある本社で行われている。


 コレクションのモチーフとなっているのが、1940年代末から60年代にかけてのクロノグラフだ。当初、クロノグラフは軍事目的で機能を進化させていったが、後に軍事目的だけでなく、モータースポーツをコンセプトにした名作モデルが数多く生まれており、ヴィントロのクロノグラフウォッチのデザインは、モータースポーツとリンクする50年代から60年代のクロノグラフから、特に強いインスピレーションを受けている。


Vintro Watches(ヴィントロ・ウォッチ)
ル・マン1952 クロノグラフ クォーツ


 ヴィントロ・ル・マン1952クロノグラフ・オートマチックは、1952年にフランスのサルトサーキットで開催された“ル・マン1952”をモチーフにした代表モデル。メカクォーツ仕様と自動巻き仕様、二つのコレクションが用意されており、このモデルはメカクォーツ仕様。ムーヴメントにはセイコーインスルツ製のCal.VK64Aを搭載しており、クォーツでありつつ、機械式クロノグラフのような針の動き、操作感を楽しむことができる。ラインナップは機械式モデルと同じく3種類のケースとダイアルカラーを展開しており、ケースはステンレススチール、ローズゴールド、イエローゴールドの3種類。各スタイルとも500本の限定生産だ。

 40mmのケースにドーム型サファイアクリスタル風防を採用。ストラップはレザー、ナイロン、メッシュ、NATOなど、さまざまなタイプとカラーから2本選択可能で販売価格は269ユーロ(約3万5000円)。


Vintro Watches(ヴィントロ・ウォッチ)
ル・マン1952 クロノグラフ オートマチック


 1952年にフランスのサルトサーキットで開催された“ル・マン1952”をモチーフにした代表モデル、ヴィントロ・ル・マン1952クロノグラフの自動巻き仕様。

 3種類のケースとダイアルカラーを用意し、ステンレススチール、ローズゴールド、イエローゴールドの3種類があり、各スタイルとも500本の限定生産だ。40mmのケースにドーム型サファイアクリスタル風防を採用。

 ムーヴメントにはシーガル製ST1940を搭載。ベルトはレザー、ナイロン、メッシュ、NATOなど、さまざまなタイプとカラーから3本選択が可能。販売価格は599ユーロ(約7万7000円)。


ヴェントロ・ウォッチでは設立当初から社会活動に積極的に取り組んでおり、 1本売れるごとに市民支援団体“STELP e.V.”に5ユーロが寄付される。


 2015年に結成された“STELP e.V.”は、ドイツ・シュトゥットガルトの市民支援団体だ。埋立地で暮らすフィリピンの孤児、トルコのテント村に住む難民、そしてイエメンで戦争の脅威にさらされている子供達を対象に、持続可能な開発援助、教育プログラム、ワークショップなどの支援を行っている。「STELP e.V.を支援することは我々にとって簡単な決断で、単にお金を配るだけではなく最も必要とされている、自助努力の少ない子供達を支援している。重要なのは、寄付金が100%適切な人に届くこと、そして団体が適切なプロジェクトを選ぶことだ。我々はこの選択に満足しており、今後も可能な限り支援していく」 と、ヴィントロ・ウォッチ創設者、ウリ・ヴァーカは述べている。


》Vintro Watches(ヴィントロ・ウォッチ)
公式サイト
https://vintro-watches.de/en/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

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