【着けてみた】グッと魅力を増したジャガー・ルクルトのマスター・ウルトラスリム・ムーン

 筆者が気になっている時計の中から今回は2021年のリニューアルでグッと魅力を増したジャガー・ルクルトのマスター・ウルトラスリム・ムーンを取り上げてみたい。

 マスターシリーズに属するウルトラスリムというコレクションは、その名前のとおりトゥールビョンでさえ12.1mmという薄さを誇り、ラインナップのほとんどが厚さ10mm以下というジャガー・ルクルトを代表する薄型コレクションだ。

 そのなかのひとつ“ムーン”は、ポインターデイトとムーンフェイズ機能を6時位置に装備した端正な顔立ちで、スーツスタイルにこそ似合うクラシカルで落ち着いた雰囲気のモデルである。それが今回リニューアルされた。

 ではどこが変わったのかというと最大の変更点はムーヴメントにある。今回新たにCal.925AAが採用され、以前の48時間から70時間にまでパワーリザーブが延長された。そのため週末着けなかったとしても、月曜日の朝までしっかり動いているため、朝になってから「あれ止っている」と気が付いて慌てて時刻を合わせるなどという煩わしさからは解放されるというわけだ。

 外装は前作の雰囲気を踏襲するかたちでブラッシュアップ。控えめだったくさび型インデックスは長さが1.5倍ぐらい長くなり、ムーンフェイズも立体的になるなど適度にメリハリの効いたデザインを採用。前作よりも見た目の存在感が増した印象を受けた。この点も魅力という意味では大きいのではないか。

 なお、ステンレススチールモデルには、今回お借りしたブルーのほかに、ブラックとシルバーグレーの3色の文字盤カラーが用意されている。

【写真】着けてみた!マスター・ウルトラスリム・ムーンの細部を写真でチェック!

ジャガー・ルクルト
マスター・ウルトラスリム・ムーン
・型番:Ref.1368480
・ケース素材:ステンレススチール
・ケースサイズ:39mm径/9.3mm厚
・防水性能:5気圧防水
・ムーヴメント:自動巻き(Cal.925AA/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約70時間)
・機能:時・分・秒表示/ポインターデイト/ムーンフェイズ表示
・国内定価:132万円

写真◎笠井修/協力◎ジャガー・ルクルト、TEL.0120-79-1833

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!