連載記事-時計デザインの原点を辿る、古典顔愛好会“ワイヤーラグ編”

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時代の移り変わりとともに腕時計の意匠も変化している。ここではいまではあまり見ることがなくなった古典ディテールを、あえて採用することでアンティークウオッチさながらの魅力を持ったモデルを紹介していく。今回のテーマは“ワイヤーラグ”。その奥深いデザインの背景を紹介していこう。

腕時計黎明期を象徴するディテールのひとつ
今日、腕時計ケースのほとんどがラグと一体成形されている。
しかし、黎明期の腕時計はケースにワイヤー状の金属を取り付けてストラップを通す、いわゆるワイヤーラグであった。その理由は、腕時計が懐中時計から派生したものであったからにほかならない。

そもそも腕時計のはじまりは、素早く時刻を確認するため、普段ポケットなどにしまって携行する懐中時計を腕に巻き着けたことである。
当時は、懐中ケースにストラップを通すための金属を溶接しただけの簡易的な構造であった。それゆえ耐久性は決して高くなかっただろう。そこで耐久性を高めるためケースとラグを一体成形した、腕計専用のケースが製造されるようになったというわけだ。
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上の写真は1910年代の第1時世界大戦期にアメリカ陸軍に納入されていたティソ製の腕時計(画像協力:ウオッチ ミュージアム ヴォガ)。ラグとケースが繋がっているところをよく見ると、溶接されたと思われる痕跡が残っており、もともとは懐中時計ケースであったことがうかがえる。
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裏ブタは開閉式となっておりフタを開くと機械式ムーヴメントがむき出しで現れる。今日の腕時計は、気密性を確保するため、こうしたケースはほとんどなく、黎明期ならではと言えるだろう

ちなみに今日用いられるワイヤーラグは耐久性も考慮され、はめ込み式などを採用した堅牢設計となっているものが大半なのでご安心を。
ラウンドケースのフォルムをいっそう強調するワイヤーラグは、それだけでクラシカルな印象をグッと高めてくれる。そればかりか、軍用時計のような精悍な意匠の文字盤にもマッチするため、ヴィンテージ感を演出するにはうってつけのディテールと言えるのだ。

》タイムギア編集部のオススメ時計—其の1
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FOSSIL(フォッシル)
コミューター クロノ
一見ワイヤータイプのラグだが、実は左右のラグは繋がっておらずバネ棒によってストラップを固定するタイプ。
■Ref.FS5402。ステンレススチールケース、レザーストラップ。ケース径42mm。5気圧防水。クォーツ。1万7280円

【問い合わせ先】
フォッシルジャパン(☎03-5992-4611)
【<フォッシル>の公式オンラインショップ】へ

 

》タイムギア編集部のオススメ時計—其の2
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TIMEX(タイメックス)
ミジェット 38mm ブラック
第1次世界大戦期にアメリカの軍用として製造された腕時計をベースに、現代的にリアレンジ。針やインデックスは、経年変化の味わいを再現する塗料を用いるなど、ディテールにも凝っている。
■Ref.TW2R45100。ステンレススチールケース、レザーストラップ。ケース径38mm。3気圧防水。クォーツ。1万9980円/問DKSHジャパン

【問い合わせ先】
DKSHジャパン(☎03-5441-4515)
【<タイメックス>の公式オンラインショップ】へ

【今回のテーマ“ワイヤーラグ”とは】
腕時計の起源は、戦場などで時刻をすぐに確認できるよう、懐中時計を腕に巻きつけて使用したことだったとされている。そのため、当時は懐中時計を腕に巻きつけるストラップを通すワイヤー状の金属を溶接しただけの簡易的なものであった。腕時計が普及してほどなく、耐久性を追求してケースとラグが一体成形されたものが一般的になっていったため、1930年頃にはワイヤーラグを持つ腕時計はほとんど見られなくなった。

【古典顔(こてんがお)とは?】
古い時代に主流となっていたディテールやデザインを踏襲して、アンティークウオッチさながらの意匠を備えた腕時計のこと。腕時計は誕生からまだ100年余りと歴史は浅いが、その間急激な発展を遂げたため、時代によって様々な意匠が楽しめる。

【<古典顔愛好会“トリプルカレンダームーン編”>のページ】へ
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