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新米記者が見つけた! 10万円アンダーのユニーク腕時計、第4回”NAVA DESIGN(ナバデザイン)”

新米女性編集者の松本由紀が、ユーザーの方と同じ第3者の目線で、“ちょっと変わった面白い腕時計”を毎週紹介!

 6月も終盤になり、2019年の半分が終わろうとしている。2020年の東京オリンピック開催のニュースを聞いた時にはまだまだ先だなあと思っていたけれど、気付けばあと半年。新しい年に入ってもユニークな時計を変わらず紹介し続けようと思う。

 前回紹介した鮮やかなアイスウォッチとは打って変わって、今回紹介するのはモノトーンでまとめた“NAVA DESIGN(ナバデザイン)”の“ORA UNICA(オラ ウニカ)”。私が今年の4月に入社して一番最初に出合ったユニークウオッチだ。このオラ ウニカがきっかけでユニークウオッチの魅力を知ったと言っても過言ではない。

》ミニマリズムを体現したかのようなデザインウオッチ

 ナバは1922年に“アッティロ・ナバ”によって設立された高い品質を誇る印刷会社。フェンディ、ブルガリ、グッチ、プラダ、アルマーニなどのスーパーブランドのブランドカタログ、ポスターなどの印刷物を手掛けており、ヨーロッパでは広く知られている。

 そんなナバブランドのオリジナルプロダクトを製造する部門として、70年にナバザインが誕生した。ナバの腕時計のコンセプトは“ミニマリズムとアイロニー”。時間を知るための道具である時計でありつつ、あえて時計を読みづらいデザインにすることで、時間に追われている現代のライフスタイルを皮肉っているというわけだ。

》針ではなく“ヒモ”が配置されている


 ナバデザインの腕時計は種類が豊富で、様々なデザイナーがナバの腕時計をデザインしている。その中でも今回紹介するオラ ウニカはイタリアを代表するデザイナー“デニス・グイドーネ”氏がデザインしたものによる腕時計だ。


 デニス・グイドーネ氏は現在、NAVA社のクリエイティブ・デザイナーをつとめており、ミラノと東京を拠点に建築、プロダクトデザイン、ビジュアルコミュニケーションの分野で活躍している。これまでにアメリカのIDA デザインアワードやAdam'o Eva、Idot など、国際的な賞を数多く受賞。ミラノ・トリエンナーレよりブルーノ・ムナーリ賞を与えられ、2010 年にはAdi Index にノミネート、2011 年に はYoung Design Award にて特別賞を受賞するなど数々の経歴をもつ。


 そんなデニス氏がデザインしたオラ ウニカは、ぐにゃぐにゃに曲がった針のみを中央に配置した斬新なデザインの腕時計で、内側の先端部分が時を指し、外側の先端が分を表す。パッと見ただけじゃ時間はすぐにわからないだろうが、前述したようにそれがブランドのコンセプトなのだ。ちなみに、この写真が示す時間は7時となる。


 リューズ部分が押し込まれたデザインのため正面から見た際にリューズが見えない仕様に。こういった細かな無駄も排除したミニマルさがこの腕時計の魅力だろう。

 白文字盤はケース径42mm、黒文字盤のモデルのみケース径42mmと36mm展開があり、男女ともにこのおもしろいデザインウオッチを楽しめる。


■Ref. NVA020033。SS(42mm径)。3気圧防水。クォーツ。2万2140円


■Ref. NVA020009。SS(42mm径)。3気圧防水。クォーツ。2万2140円


■Ref. NVA020010。SS(36mm径)。3気圧防水。クォーツ。2万520円

 文字盤の上に無造作に置かれた“ヒモ”のような針は、初めて見た人には時計として何の役割も果たしていないように思われそうだが、一応、時間も表示しているし、それ以上に、ひとたび腕に着けるだけで話題のネタになることは間違いない。その観点から見れば“何の役も果たしていない”どころか、大いに役にたつ時計なのだ。

 ちなみに、モデル名である“オラ ウニカ”はイタリア語で“いまだけ”を意味し、アクセサリー感覚で時計を楽しむことをコンセプトとして作られている。

 日々時間に追われる人はもちろん、気分を変えて日々を過ごしたい人にこそピッタリなのかもしれない。

文◎松本由紀(編集部)

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