【ロレックス】通信 No.022|ご存じですか? 日本限定リリースされたデイトジャストの派生モデルとは!

 2020年最初のロレックス通信は、現在はコレクションに存在しない“ターノグラフ”について取り上げたい。

 英語のスペルは“TURN-O-GRAPH”。「ゼロに戻る」という意味から付けられた名である。日本ではターノグラフと呼ばれ、デイトジャストながらも両方向に回転するベゼルに赤の秒針を備えた特徴的な派生モデルとして2004〜13年までの9年間ほど生産された。

ジュビリーブレスタイプのターノグラフ。Ref.116264。WGベゼル、SS(36mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3135)

 回転ベゼル付きデイトジャスト自体は1956年からラインナップしていたが、6代目となるこのモデルからデザインも一新されターノグラフ名が付けられた。

 サブマリーナのベゼルは経過時間を正確に知るため左回転しかできないのに対して、ターノグラフのそれは両方に回転する。つまり、あくまでも経過時間を把握するためのものだったのである。目盛り付きで、しかも秒針に赤が採用されたことで適度にスポーティさも味わえることからベーシックなデイトジャストだと物足りないという人に支持されていた。

 しかし、当時はちょうどデカ厚ブーム真っ只中。やはりデイトジャストと同じケースサイズである36mm径に物足りなさを感じた人は多かったのかもしれない。13年で生産終了になり、残念なことに後継モデルは作られなかった。

 ラインナップはすべてコンビモデル(ロレックスではロレゾールと呼ぶ)のみで、素材はホワイト(Ref.116264)、イエロー(Ref.116263)、ピンク(Ref.116261)系ゴールド3種類で、3連オイスターと5連ジュビリーの両方のブレスレットが用意されていた。なお、ホワイトゴールドタイプのみがゴールド素材を使用するのはベゼルだけで、ブレスレットはオールステンレス仕様となる。

 ちなみに当時の定価は、写真の18金ホワイトゴールドタイプ(Ref.116264)で消費税10%換算にすると73万7000円。それに対して現在の実勢価格は60万円前後からと、USEDでさえプレミアム価格化しているロレックスにおいては、いまなおUSEDならではの価格的なメリットが多少感じられる数少ないモデルと言えそうだ。

 現行にはないデザインなので選択肢のひとつに加えてみてはいかがだろうか。特に手首の細い人にはおすすめである。

ターノグラフ日本限定モデル。Ref.116263。YG×SS(36mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3135)。USED。日本限定300本

 さて、このターノグラフに日本限定バージョンが存在することをあまり知られていない。どこが違うのかと言うと、通常は秒針と6時位置のTURN-O-GRAPH名は赤のペイントなのに対してロレックスのコーポレートカラーであるグリーンが採用されている点だ。しかも2011年に300本だけしかリリースされなかったという意外にも希少な代物なのである。

 写真は黒文字盤だが、同じく300本限定で白文字盤タイプも存在している。現在の実勢価格はコンディションにもよるが130〜150万円。プレミアム価格ながらも限定数からするとかなりお買い得な気もするのだがいかがだろうか。

文◎菊地吉正

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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