【ロレックス】通信 No.031|読者が選んだ欲しいロレックス2020、人気ベスト10(前編)6位〜10位

 今回のロレックス通信は、筆者が刊行するPOWER Watch(パワーウオッチ)3月号 No.110(1月30日売り)で行なったロングラン企画「読者が欲しい腕時計」の2020年版から、ロレックスだけに着目して、いまユーザーが欲しいと思っているロレックスはどんな機種なのかを紹介したいと思う。

 ちなみにこの企画、毎年11月〜12月に読者に対してアンケート調査を実施。最も得票数の多かった銘柄20機種をランキング形式で紹介するというものだ。もちろんロレックスだけではなくほかのブランドも含まれており、リアルな情報として創刊時より続く大好評企画なのである。

2020年1月30日に発売されたパワーウオッチ3月号・No.110に掲載された18年間続くロングラン企画『読者が選んだ腕時計、2020年版』。ロレックスだけでなくほかの時計ブランドも含めてランキング形式で人気モデルを紹介

 さて当ロレックス通信のNo.02で取り上げた2019年版では、20位以内にランクインした6機種のロレックスを紹介した。それに対して今年の結果はというと何と前回を上回り全体の半数を占めている。つまり20位以内に10機種もランクインしたのである。しかも、ベスト10に入ったモデルは前年の4機種から8機種と倍に。つまり、ベスト10に入った他のブランドは2機種だけでほかは全部ロレックスという恐ろしい結果となったのだ。

 参考までに2018年の結果についても紹介しておくと、20位以内に10機種ランクインしたのは今年と同じだが、ベスト10となると3機種しか入っていない。何と当企画を18年間やってきて初めてのことなのである。

 しかもこの傾向は昨年暮れのロレックス通信No.21で取り上げた「13の並行輸入店に聞きました。2019年何が売れましたか!ベスト10」で筆者は「今回のようにさすがに半分がロレックスというのは初めてのことである。しかも総合トップ10では、そのうちの8モデルをロレックスが占めるというのも驚きだ」と書いたのだが、まさにランクインしたモデルこそ違えども販売の現場と同じ結果だったのだ。

 さらに筆者は2019年のランキングについて「今回は(2018年に比べて)減っただけでなく機種もかなり限定されたものとなってしまった。実勢価格高騰が大きく影響していることを示す結果と言えるだろう」と、結果についてこう書いている。しかし当時の並行輸入での実勢価格よりも現在の実勢価格のほうが若干高い。それにもかかわらずロレックスに入気が集中している背景には何があるのだろうか。

 もちろん、ほかの時計専門誌に比べてロレックスを頻繁に取り上げているPOWER Watch読者のデータということも、この結果に少なからず関係しているだろうが、加えてかなり高騰したがゆえの様々な要因もその背景にあることも否めないだろう。

 さて、今回は10機種と多いため前編と後編の2回に分けてお届けしたいと思う。そしてまずは6位から10位までを詳しく見ていくことにする。なお順位の横に記載しているカッコ内は、ほかのブランドも含めた総合20位以内の順位である。これも参考にしながら見てもらいたい。

読者の欲しいロレックス! 第6位(総合7位)
シードゥエラー

Ref.126600。SS(43mm径)。1220m防水。自動巻き(Cal.3235)

 2017年にリニューアル登場を果たしたシードゥエラー。約70時間ものロングパワーリザーブを誇る最新ムーヴメント、Cal.3235を搭載。シードゥエラーのファーストモデルの初期生産分だけに見られた赤いモデル名表記、通称 “赤シード”が再現されて話題を呼んだ。

 同じダイバーズウオッチのサブマリーナデイトとの違いは端的に言うと防水性能。300m防水に対して1220mと約4倍もの防水能力を備えている。ただし、そのぶんケースサイズも3mm大きく厚みもあるため、体格のいい人以外は普段使いとしてはあまり一般的ではないかもしれない。

 このモデルから初めて採用されたサイクロップレンズ(日付けの数字を2.5倍に拡大する)には賛否あるが、以前よりもデザインとしては全体的に洗練された印象になったため見た目もカッコよく、性能の高さとこの雰囲気に惚れ込む人は意外に多い。

 国内定価123万900円に対して2020年2月時点での並行店新品実勢価格の安値で163万円である。

読者の欲しいロレックス! 第7位(総合8位)
エクスプローラー I

Ref.214270。SS(39mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3132)

 ロレックスのスポーツモデルにおいてサブマリーナと並んで安定した人気を誇るモデルのひとつと言えるだろう。名前が示すように探検者向けを想定して1953年に開発された。

 視認性が高く余分な機能を一切省くことで耐久性を高めた作りとなっていることからスポーツモデルの括りとはなっているが、デザイン的にはとてもシンプルでビジネス使いにも違和感がないため、幅広い層から支持されるモデルである。

 現行モデルは、不評だった長針を適正の長さまで少し伸ばしてデザイン的にバランスが整えられ、さらに369インデックスにクロマライト夜光を追加して視認性を高めるなど2016年にマイナーチェンジが施されている。

 さて、このエクスプローラー I については当ロレックス通信のNo.23「定価改定で浮上した2020年新作!? 1月10日の定点観測にみる実勢価格相場!」で触れたように、1月1日に実施された定価改定でも現状維持で値上げはされなかった。そのため、今年モデルチェンジされるために改定されなかったのでは、との憶測がネット上で飛び交うなど、その動向が注目されている。

 国内定価は68万7500円。並行輸入店での2020年2月時点の新品実勢価格は安値で87万円である。いまやスポーツ系でも100万円アンダーで購入できる数少ないもののひとつだ。

読者の欲しいロレックス! 第8位(総合10位)
エクスプローラー II

Ref.216570。SS(42mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3187)

 7位のエクスプローラー I の進化系として登場した II だが、こちらは探検家でも洞窟などの暗闇での作業を想定して24時間表示機能が追加された。オレンジ色の針がそれである。

 現行モデルは2011年のモデルチェンジで登場したもので、旧モデルよりも2mmサイズアップし、24時間針もファーストモデルに倣ってオレンジの大型のものが採用された。

 これによって比較的に主張のあるデザインとなったこともあり、時計としては時差のある別の国の時刻も表示できるなど、実用性は高いのだが、購入するとなるとサブマリーナなどのシンプルなほうを選ぶ傾向にあるためか、例年は20位圏内はあっても、トップ10内に入ることはほとんどなかった。

 国内定価は87万5600円で、2020年2月時点の並行店新品実勢価格は112万円。これは19年の1月頃と比較して約10万円、18年と比較すると20万円も高い。確かに定価と実勢価格との差はサブマリーナデイトに比べれば少ないが、その差が驚くほど違うかというとそうでもない。となるとモデルチェンジを念頭においた需要ということも背景にあるのかもしれない。

読者の欲しいロレックス! 第9位(総合11位)
ミルガウス

Ref.116400GV。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3131)

 1000ガウスもの高い耐磁能力をもつ時計として、2007年に19年ぶりに復活したコレクションである。実は、1956年にレントゲン技師などの特殊な仕事に従事する人向けに開発された。

 しかし、当時はパソコンなど一般的ではない時代であったことと、その後クォーツ時計が台頭するなどして88年頃に姿を消している。その意味では、スマホ時代のいまこそ、その能力を発揮できる時計と言えそうだ 。

 現行のミルガウスは、ロレックスのブランドカラーであるグリーンがかったサファイアクリスタル風防や、ファーストモデルと同じイナズマ形秒針が採用されるなど発売当初はかなり注目を浴びたため、一時期180万円まで実勢価格が高騰したほどだった。

 しかしながら、その後は人気もあまり振るわず、比較的に安く買えた時期もあって、お買い得なモデルとしても知られていた。それが2018年に80万円台前半だった実勢価格は19年夏に100万円まで高騰、現在は国内定価87万6700円に対して、2020年2月並行店新品実勢価格が93万円と90万円台前半で推移する。

 このようにいまではプレミアム価格となったミルガウスだが、当連載のNo.028「密かに噂されるミルガウス。2月14日の定点観測にみる実勢価格相場!」でも書いたように、現行モデルが登場して今年で13年目と古いことと、今回10位のエアキングもミルガウスと同等の耐磁能力をもつため、能力的に重複していることから、ロレックスファンの間での予測として、6位のエクスプローラー I と並んでモデルチェンジの筆頭に挙げられている。こんなことも少なからず影響しているのかもしれない。

読者の欲しいロレックス! 第10位(総合12位)
エアキング

Ref.116900。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cai.3131)

 今回の調査で1番に驚いたのが20位以内にランクインしたこのエアキングである。2016年に登場した当初は、ロレックスらしからぬ個性的なデザインで注目されたことは確かだが、個性的すぎるがゆえに人気はその後上がらなかった。ロレックスの購入が2本目以降という人は別としても、ロレックスの最初の1本目からこのエアキングを候補に挙げる人はかなりの少数派。そういったところも影響しているのだろう。

 それが今回、初めて20位以内に入り、しかも全体で12位と上位に位置している。価格面でみると、並行店での新品実勢価格が2017年の67万円前後に対して、確かに2020年2月時点は74万円(国内定価は67万6500円)と、プレミアム価格であることには変わりないが、スポーツ系モデルが数十万円の値上がりが当たり前となった現在において、3年経ってもまだ上昇額が数万円というのは、ロレックスに限って言えばお買い得感はかなり高い。

 このエアキング、名前のとおり航空時計がコンセプトだ。2桁数字のインデックスやグリーンの秒針などを採用したことで個性的な雰囲気となってしまっているが、性能面は航空時計らしく1000ガウスの耐磁能力を有し、9位のミルガウスと同じ構造(ムーヴメントも同じ)のため、決して能力的に劣るというわけではない。ミルガウスと同じくまさにスマホなどの電子機器によって常に磁場にさらされている現代にこそふさわしい時計なのである。

 ぜひ、ベーシックな文字盤デザインを採用したバリエーションを2020年の新作として発表してほしいところである。

 さて、次回3月15日のロレックス通信 No.32では、後編として1〜5位までをお届けする。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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