【マオリ文化を取り入れた彫刻が美しい】ニュージーランド発の時計ブランド、“マーグレッティタイムピーシーズ”に注目

》マオリの伝統文化を取り入れた、ニュージーランド発の時計ブランド

 “MAGRETTE TIMEPIECES (マーグレッティタイムピーシーズ)”は、ディオン・マケイシーによってニュージーランド北島・北部のオークランドで創設された日本未上陸の独立系ウオッチメーカーだ。

 マケイシーが時計の世界に魅せられたのは、まだ幼い7歳のとき。母親から初めて腕時計をプレゼントされたことをきっかけにして、その後は熱心な時計コレクターの兄のもとで育った。

 1940年代のミリタリーウオッチや1970年代のダイバーズウオッチをコレクションするなど時計に対する情熱を常に持ち続けていたマケイシーだが、時計への情熱を具体的な形で追求し始めたのは、社会人としてキャリアをスタートした1990 年代からだったようだ。

 クリエイティブエージェンシーのマネージングディレクターとして、フランス系カナダ人がオーナーである時計ブランドのデザインを担当していた経験から、自身のブランドを立ち上げたいという、時計に対する欲求が沸き起こってきたという。

 その後、キャリアを積み上げつつ、十分な時間をかけてブランドの理念、デザインの特徴、ブランド名の決定など構想を練り上げ、2007年に“マーグレッティタイムピーシーズ”が誕生することになる。

 マケイシーが目指したのが、ニュージーランド、そしてマオリ族の古い神話と強く結び、かつ流行に左右されないブランドであった。マーグレッティは、ミステリアス、魅力的、古い世界、強いという言葉に由来しており、この言葉の意味する要素は、すべてマーグレッティのDNAの重要な部分を占めている。

 ロゴは、マーグレッティの時計の耐久性になぞらえ、強さと保護を表す“盾”と、ニュージーランドの伝統文化であるマオリの文化で象徴的なシンボルとなっているシダの一種、“コル”を組み合わせたもの。

 光に向かって伸びていく“コル”は、新たなポジティブな始まりを意味しており、マグレット・タイムピーシーズの基本理念のベースにもなっている(余談ではあるが、ニュージーランドのフラッグ・キャリアの尾翼に描かれているのも、同じコルである)。


 “マーグレッティタイムピーシーズ”の特徴となっているのが、ニュージーランド南島の東海岸の街、クライストチャーチを拠点とするエングレーバー、アンドリュー・ビッグス氏が手がけているマオリ族のデザインを取り入れたケースの刻印である。

 独学で勉強しつつ、海外に出向いて世界中のエングレーバーと交流し、技術を習得した人物で、バーゼルワールドをはじめとする宝飾品業界の展示会で実演を行うほどの実力者となった。

 ニュージーランドの自然、歴史、文化が色濃く反映された独創的で美しい意匠には、母国であるニュージーランドに対する愛が感じられ、欧米の文化とマオリの文化を融合させたスタイルが、ほかにはない魅力を放っている。 これからもその母国愛溢れる、魅力的な時計を期待したい。


MAGRETTE TIMEPIECES (マーグレッティタイムピーシーズ)
タイアハ
 木やクジラの骨で作られたマオリの伝統的な近接戦闘武器をモチーフにしたモデル。現在、タイアハは正式な歓迎式典であるポフィリなどで使用されることが広く知られており、私たちを取り巻く暗闇から身を守る魔除けの意味合いも備えている。ケースには表面、裏面、サイドにタイアハを持った戦士の文様が手作業でエングレーブされており、時計の所有者を保護してくれるのだ。

■SS(42mmサイズ)。200m防水。自動巻き(ETA社製Cal.2824-2)。10本限定。3200米ドル(約36万円)。


MAGRETTE TIMEPIECES (マーグレッティタイムピーシーズ)
カイティアキ

 カイティアキは“守護者”、“執事”、“受託者”という意味をもち、私たちを取り巻く、海の守護神であることを彷彿させる。 ケースに施されたエングレービングは、ニュージーランド・クライストチャーチ出身のアーティスト、アンドリュー・ビッグス氏が手彫りで製作。マオリ文様のマンタと偉大なる海神・タンガロアの顔が描かれ、その左右には絶滅危惧種であるアホウドリとアカハラカモメが描かれている。

■SS(42mmサイズ)。500m防水。自動巻き(Miyota社製Cal.9015)。10本限定。2400米ドル(約26万円)。


》MAGRETTE TIMEPIECES (マーグレッティタイムピーシーズ)公式サイト)
https://www.magrette.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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